机の上、君へ伝言

２９、 ページ30

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「むーかーいー！！」


『ほえっ、なんや！？』


「アンタ、動くなって言ったよね！？」






突然、豹変したブチギレ寸前の女子たちに囲まれて


隣に居ったラウールは輪の中から弾き出されてしもうた







つまり、俺 VS 女子の構図に







『ご、ごめんて』


「こっちは真剣なんだからね？」


「そうそう、強敵目黒くん持ちの2組に負けてらんないの！」







せやから、ここ最近カリカリしとったのか


この盛り上がり見たところ、勝ち目なさそうやけどな







とりあえず言い訳せんで、されるがままになれば落ち着くやろ



そう思うて大人しくしたんやけど







　






「罰として、ここで採寸してやる」


『はぁ！？』


「脱げ！！」


『ちょちょ』






ネクタイなんて秒殺で放り投げられ、ワイシャツのボタンやらズボンのベルトやらに手を掛けられる




こんなとこで脱いだら露出狂やんか！









『あほっ！やめろって！！』


「アンタが大人しくしてないからでしょ！！」


「黙って剥かれろ！！」


『ケダモノ〜！！』





必死に抵抗すれば








　







『おっわ！？』





後ろからの力に負けて体が傾く






倒れる思うたんやけど、痛みはなくて新品の服の匂いが鼻を掠めた









　






　








「め、目黒くん！」


「なんで！？」





女子たちの真っ赤な顔で、背中に触れとる温もりの正体がめめやって理解した









　


「さすがに、廊下ではやめよっか」





どんな表情しとるか分からんけど、目の前の般若たちが女の子に戻って





「はいっ」






なんて言うて教室に戻ったから、きっとカッコええ笑顔なんやろうな



俺も見たら茹でタコになるやつ







　




『あ、ありがとな、目黒くん』





慌てて顔も見ずにお礼を言って、女子たちの後ろをついて行こうとしたら








『ちょっ』





腕を引かれて、色気のある首筋が目の前に


更に耳元には吐息とともに低い低音が響く









　




　







「キツネ、可愛い」


『っ！？』


「じゃあね」





ぽんっと頭に手を置くと、俺に背を向けて教室に戻ってしもうた









　




どうやら、簡単には離してくれへんみたいやな



今ので、もっと好きになってしもうたやん









「向井くん、早くして！！」





そんな女子たちの声なんて耳に入らんで、愛おしい背中をジッと見つめた









　





その3秒後に雷落ちてきたけど笑

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