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私の嫌いな時期がやってきた………
私は
1月が大っ嫌いだ。
………
………
………
「明けましておめでとうございます」
「Aちゃん、明けましておめでとう。早いのね。もう少し寝てればいいのに」
「なんだか早く目が覚めてしまって。あ、手伝います」
あのあと、2時間位飲んでいて、初詣に行くという智也くんたちとは別れて私と篤人くんは家に帰った。
帰宅した時には眠さが限界だった篤人くんはまだ起きてこないだろう。
今7時30分。
「あら、いいの?うちの娘達もAちゃんみたいだったらいいのに」
「娘さんたち帰ってこないんですか?」
「あぁ、今日の午後に顔を出すって言ってたわ」
そんな会話をしながら、お雑煮の準備をする。
「昨日は楽しかった?カウントダウン」
「んー………私人見知りなのでなかなか馴染むのにいっつも時間かかるんで……」
苦笑いの私におばさんは
「そういうところは昔と変わらないのね」
くすくすと笑う。
「明けましておめでとう。」
「あら、お父さん。明けましておめでとうございます」
内田先生が起きてきたので、料理の手を止めて
「先生、明けましておめでとうございます。」
挨拶した。
「Aちゃん、早いなぁ。眠くないのか?」
「お酒飲んだ時っていつも早く目が覚めること多くて。先生お茶飲みますか?」
「あ、飲もうかな」
「じゃあ、今煎れます」
先生にお茶を出して、私とおばさんは残りのお雑煮作りを再開。
先生はのんびりとお正月番組を見ている。
「今日は篤人と一緒に出掛けるのよね?」
「……はい、どこに行くかは聞かされてないですけど、付き合って欲しいところがあるって言われて……」
「じゃあ、あと1時間位したら篤人起こして朝ご飯にしましょうか。多分10時過ぎには出掛けるだろうし」
おばさんは、篤人くんが出かける場所を知ってるのかな?
「あ、そうだ!Aちゃん、お願いがあるんだけど……」
茶目っ気たっぷりな表情のおばさんに私は首を傾げた。
……
……
「うわぁ………懐かしいなぁ。」
テーブルに並べた昆布入りと明太子入りのだし巻きたまごを見た内田先生の嬉しそうな表情
「でしょう?どうしても食べたくなってね、Aちゃんにお願いして作ってもらっちゃった」
おばさんの言葉が素直に嬉しかった。
ここに来て初めて作ったの料理が、だし巻きたまごだった。
「Aちゃん、篤人のこと起こしてきてくれる?」
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作者名:めぐ | 作成日時:2015年7月1日 23時