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「………会えたら、……ね。私は自分からは絶対に会いに行かないから」
「(笑)わかったよ。……でも、うっちーとAさんはいつか会うような気がするんだよね」
゛だから、そこのとこはあんまし心配してないからさ ゛
「しょうがないから、親友のために約束してあげるわよ」
「サンキュ。やっぱ、持つべきものは親友だな」
ふっ…と安心したように笑うと
「何年かかってもいいから、きちんと約束守ってくれればそれでいいからさ……………。俺、ちょっと眠いから、寝るわ」
晴くんはそっと目を閉じて、眠ってしまった。
まさか、この2ヶ月後、彼がこの世からいなくなるなんて……
あの震災が起こるなんて、
夢にも思わなかった。
3月11日、金曜日、14時46分。
正直、あの震災の日から、晴が亡くなる一週間……ううん、三週間近い記憶がひどく曖昧で
人から聞いた話と、地震発生直後に晴とのメールのやりとりを見たけれど、はっきりと思い出せなくて…
ただ、私と晴は別々に行動していたことだけは確かだった。
晴は、津波に飲みこまれて流されていた人を助けていたと、現場に居合わせた人に聞いた。
そして、時を同じくして、私も別の場所で子どもを助けていた、と。
私が覚えているのは、低体温症になり、そこから肺炎を併発して容体が急変した病院のベットで、苦しそうにしながらも、最期は眠るように息を引き取った晴くんの姿だけだった。
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作者名:めぐ | 作成日時:2015年7月1日 23時