光輝く破壊天使 (ページ11)

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スペインのチーム、バルセロナ・オーブとの試合を受け、雷門のメンバーは『サッカー強化委員』としてそれぞれの学校に派遣される事になった。

強化委員が派遣される学校はサッカー協会側が選んでいるようで、派遣される人物は強化委員である雷門の選手達が選ぶらしい。
サッカー協会から僕達世宇子中はサッカー強化委員が派遣されるべき学校と判断された。

我が校、世宇子中にはAA……そう。『光のストライカー』と呼ばれ、『光の天使』と呼ばれているサッカー選手が強化委員としてやってくる。
僕がサッカーの世界に踏み入れる切っ掛けになった存在だ。

『その時はフィールドで会えることを楽しみにしているよ』

秋のFFでも雷門と対戦をし、数ヶ月前に交わした約束を果たす事ができた。
……残念ながら彼らに勝つ事はできなかったけれど。

『照美さん、また強くなってるじゃないか。その内負けちゃうかも』

『それはないさ。僕が貴女を超える事はない』

『そんなご謙遜しなくても。僕は褒めてるんだよ？ ……あれだけ批判があっただろうに、よくフィールドに出てきてくれた』

僕達世宇子中は影山の陰謀に利用され、偽物のレッテルを貼られた。
それでも立ち直れたのはとある人……現在、僕達世宇子中の監督として見守ってくれている老婆だ。
そして、あの後も時間を見ては会いに来てくれたAさん。

この二人の存在で僕は立ち直る事ができた。
そんな彼女だから世宇子中にサッカー強化委員として来て欲しいと推薦を出し……そして、承認された。

彼女が来る日を今か今かと待っていた。
僕だけではなく、チーム全員が彼女を待っていた。

……なのに、サッカー協会から来た連絡は。

「え……っ、彼女が……Aさんが転校した？」

Aさんが雷門所属ではなく、別の学校に転校したという話だった。
サッカー強化委員としてではない……移籍しただけだと言う。

どうしてこのタイミングで転校するなんて……それも、世宇子中ではない場所に。
丁寧な事に電話対応してくれたサッカー強化委員は、彼女の転校先の学校を教えてくれた。

「王帝月ノ宮……ここって」

最近耳にする企業がスポンサーに入っている学校だったはず。
確か……アレスの天秤っていう教育システムを使っているっていう学校だ。

それを聞いて何故か嫌な予感がした。

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