とある女性マスターがヒーローを目指すお話 8 (ページ44)

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非日常333　目標達成ならずページ44

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「そんじゃ、お後がよろしいようで。……ぐはァ！？」

こちらにお辞儀をしていた仮面の敵(ヴィラン)の顔に見覚えのあるビームが直撃。

「青山君！！」

そのビームを放った本人、青山が木陰に隠れていたのだ。そのビームが直撃した衝撃で、口の中に隠されていた3つの玉……常闇、爆豪、Aが閉じ込められている玉が飛び出てきた。
俺の目の前には2つの玉が。手を伸ばして玉を掴もうとしたが……

「！？」

「悲しいなァ……轟焦凍」

継ぎ接ぎの敵(ヴィラン)の方が早く、取ることができなかった。
勢いよく走っていたお陰でその場に転がりこんでしまった。

「確認だ。解除しろ」

「俺のショーが台無しだ……！」

指を鳴らした音が響く。
障子がキャッチした玉からは常闇が、継ぎ接ぎの敵(ヴィラン)がキャッチしたのは＿＿＿爆豪とA。

「姫はこちらに」

「ああ」

「っ！？」

ワープの敵(ヴィラン)が近くに現れたと思えば、継ぎ接ぎの敵(ヴィラン)がAを突き飛ばした。
その先は……ワープゲート！

「A！！！！」

「……！轟君ッ！！！」

俺の声に反応したAがこちらを見て手を伸ばす。

「……ッ！」

その光景はスローモーションのように見えた。
伸ばした手は、伸ばされた手を掴む事ができず空を掴んだ。
ワープゲートはAを連れ込んだ痕目の前で消え、彼奴が履いていた片方の靴だけがその場に残った。

「あ、あぁ……っ、うわああああああああッ！！！！」

目の前にいたAの手を掴む事ができなかった。
初めて見た彼奴の助けを求める目、表情。……俺は応えることができなかった。

近くで緑谷の叫び声が聞こえる。
その声が現実を更に実感させた。

敵(ヴィラン)は跡形も無く消えた。……爆豪とAを連れ去って。
＿＿＿俺達は、敵(ヴィラン)に完全敗北したのだ。

＊＊＊

ブラドキングの通報により、敵(ヴィラン)が去った15分後救急や消防が到着した。
生徒40名のうち敵(ヴィラン)のガスによって意識不明の重体15名、重軽傷者11名、無傷で済んだのは13名だった。
＿＿＿そして、行方不明2名。

プロヒーローは1名が頭を強く打たれ重体、1名が大量の血痕を残し行方不明。

敵(ヴィラン)側は3名の現行犯逮捕。彼らを残し、敵(ヴィラン)達は跡形もなく姿を消した。

こうして、俺達の林間合宿は幕を閉じた。

9へ続く

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