日常140 トリッキーガールらしいです ページ29
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2回戦の結果は何となく分かっていた。
瀬呂君対轟君
開始早々巨大な氷で瀬呂君を凍らせ、圧勝したらしい。
「……はぁ」
落ち着け。
私は轟君よりも年上でしょ？肉体年齢は同い年だけど。
しっかりしなさいA！
「……！あれ？」
見覚えのある姿に思わず声をかけてしまう。
その人物はこちらを振り返って
「A〜ッ！！」
「ぎゃッ！？」
抱きついてきた。
私に抱きついてきた人物、それは……
「く、苦しいよ……お母さん……っ」
「初戦よ初戦！！わくわくしてきちゃった！！」
今世での私の母親である。
家で見てきた姿とは違い、ボディスーツに身を包んだ姿『サナーレ』の姿だ。
「応援してるからね！」
「うんっ」
短く会話し、ギリギリまでお母さんに向かって手を振る。
……見えてきた。バトルフィールドが！
「ナイフやら炎やら鎖やら何が飛び出してくるか分からないトリッキーガール！ヒーロー科、AA！！」
階段を登ると向こう側からも対戦相手が上がってくる。
「VS！スパーキングキリングボーイ！！ヒーロー科、上鳴電気！！」
目が合うとこちらに向かってウインクしてきた上鳴君。……慣れてるようで。
「A組同士のバトル！！これは面白くなってきたなァ！！」
マイク先生の言う通り、私と上鳴君は同じクラスだ。
だから相手の個性がどんなものなのか良く知っている。……ちょっと前になってから知り始めたってのは内緒ね？
上鳴君の個性は『帯電』
前に本人が言っていたが、上鳴君は帯電した電気を操れるわけではないらしい。
考えられるのは……！！
「スタァートッ！！！」
試合開始の合図が出された。
右腕に令呪を浮き上がらせて……
「なあA、さっきの件なんだけどさ」
「さっきの件？」
「そ。どっか食べに行くって話。早めにしよーぜ」
「いいけど……なんで？」
上鳴君と会話している間にも個性発動の準備は進める。
隙は見せない。
会話も相手を油断させる攻撃の1つだ。……前世の時、よーく学んだから知っている。
「この勝負、一気に終わっからよォ……！！！」
＿＿＿＿読み通り！
令呪を発動させ、擬態の意思を示す。
「無差別放電、130万ボルト！！！」
目の前に躱しようのない放電が向かってきていた。
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今日のサーヴァント
宝蔵院胤舜
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作者名：恵野 | 作成日時：2020年8月13日 10時
