story 139 ページ5
・
ポケットに入っている携帯を取り出し、着信とか何か入ってないか確認する。
因みにこの携帯は蓮専用の携帯である。
「おいにーちゃん、落としたぞ」
「え？」
近くで聞こえた声にそう反応し、声の主を見下ろす。
そこにいのは……小嶋元太、レイラの時に一度会ったことのある少年だった。
彼の目線に合うように屈み、差し出されていた手のひらの上にある鍵を受け取る。
「ありがとう少年、気付かなかったよ」
「良いって事よ！」
ニシシッと笑う彼にクスッと笑みが零れる。
うん、子供と言えばこの純粋な笑顔だ。
「にーちゃん名前なんて言うんだ？」
「あぁ、自己紹介してなかったね。俺は蓮、A蓮って言うんだ」
「あれ、その名前どっかで聞いたことあるぞ！」
あれ、彼とは初対面のはずだけど……。蓮の姿ではだけど。
レイラと似ているとでも思っているのだろうか。いや、彼は今名前に聞き覚えがあると言ったな。
「ここに来る途中で話した人だよ。まさかここで会えるとは思わなかったけど」
「あぁ、コナン君。君が教えたのかい？」
「うん！だって今度一緒にサッカーしてくれるんでしょ？」
無邪気な笑顔でそう言ったコナン君。
うん、そういう約束だったね。時間が合えばの話だけど。
「私、吉田歩美！」
「僕は円谷光彦です！」
「俺は小嶋元太！宜しくな！金髪のにーちゃん！」
き、金髪のにーちゃん……。
呼ばれたことの無い呼び方に苦笑いしながらも「よろしく」と笑みを浮べた。
「所であの子は？」
「！」
やはり警戒心が高いのだろうか。
男性の後ろに隠れるようにこちらを見ている彼女……灰原哀。目が合うとちょっと驚いた顔をして少し隠れてしまった。
見えた表情は怯えた様子ではなかった。レイラの時に怯えられたから、ちょっと傷ついてるんだよね。
「僕が連れてくるよ！」
そう言って離れていったコナン君。
灰原哀の元へ向かうと、ヒソヒソと彼女に何かを伝えている。……流石に声量を絞られると聞き取れないんだよね。あとこの三人が元気過ぎる。
「連れてきたよ！」
コナン君の背に隠れながらこちらにやってきた灰原哀。
彼がどうやって説得したのかは置いておいて。警戒はされているものの、レイラの時よりは警戒されていないらしい。
「灰原哀。……よろしく」
「よろしく、灰原ちゃん」
……彼女が、何らかの要因で幼児化した『シェリー』と呼ばれる組織の構成員だった人物、か。
・
story point of view A 140→←story 138
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 86人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ココア - わかりました！気長に待ってます。今回も面白かったです (2021年4月14日 18時) (
レス) id: 465cc8c13a (このIDを非表示/違反報告)
恵野(プロフ) - ココアさん» コメントありがとうございます！一応不定期更新になっておりますので、気長に待って頂けると…！ (2021年4月10日 18時) (レス) id: a722acc2d1 (このIDを非表示/違反報告)
ココア - 面白かったです。続きお願いします！ (2021年4月9日 17時) (レス) id: 9b166c347a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：恵野 | 作成日時：2020年10月16日 18時
