story 173 ページ39
・
テスト明け
忙しかった採点も終わり、蓮として動くことも少ないこの頃。
今日も今日とて教師としての職を全うした私は放課後になると同時に帰宅の準備を始める。
私は正式な帝丹高校の教師ではないので、好きな時間に帰れるのだ。まあ周りの教師からは『来年もうちで教師やりません？』と進められている。
いや、私は教師じゃ無くて殺し屋なんだけど……。
……なーんて事は言えないので、苦笑いをしてやり過ごすしかないのだ。
「あれ？レイラ先生じゃない！」
後ろから声を掛けられたので振り返ると、そこには鈴木さんと毛利さん、そしてコナン君がいた。彼女達も下校中だったようだ。あ、私の場合は退勤か。
「レイラ先生帰り？何か用事があるの？」
「いいえ、今日は早めに上がれただけですよ。特に何の用事もありません」
帰ったらこの前買ったワインを飲むんだ……。とか学生の前で…教え子の前で言えない。
「そういえばレイラ先生！この事件、知ってます？」
「どの事件です？」
「これですよこれ！『ハンマー男』！」
ハンマー男？
なんだその一般的ネーミングセンスは。
「今朝のニュースでやってたんです。レイラ先生見てないんですか？」
「テレビを付けてるだけでニュースはあまり見ないんですよね……」
だって表社会の出来事とか興味ないし。
……それに、一般人相手に殺し屋が負けるとでも？
「じゃあレイラ先生気をつけて！！そのハンマー男、長髪の女性を狙ってるから！！」
「特定の相手を狙っているんですね。それなら毛利さんもですよ」
「へ？」
「夜中に不用意に出歩かない事！これは基本です！」
教師としてきちんと言っておかなくては。
特に下校中は基本生徒の安全を守ってあげられないし。
「いっつも見てて思うんだけどさ〜、レイラ先生って本当に20歳？」
「はい。今年で25歳ですよ」
「私達と同い年にしか見えないのよね……」
「それは褒められているんでしょうか、貶しているんでしょうか……」
「まさか！褒めてるに決まってるじゃない〜！」
そういえばあの日、杉浦君親子のお見舞いに行った後にワインを買いに言ったんだけど年齢確認されたんだよね……。
そんなに成人した顔に見えない？……見えないから年齢確認されて、今鈴木さんにそう言われているんだろ、私……。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 86人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ココア - わかりました！気長に待ってます。今回も面白かったです (2021年4月14日 18時) (
レス) id: 465cc8c13a (このIDを非表示/違反報告)
恵野(プロフ) - ココアさん» コメントありがとうございます！一応不定期更新になっておりますので、気長に待って頂けると…！ (2021年4月10日 18時) (レス) id: a722acc2d1 (このIDを非表示/違反報告)
ココア - 面白かったです。続きお願いします！ (2021年4月9日 17時) (レス) id: 9b166c347a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：恵野 | 作成日時：2020年10月16日 18時
