story 156 ページ22
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私はA蓮の姿で暗い路地にいた。
何故此処にいるのかというと、ある人物との待ち合わせである。
「！……監視は？」
「大丈夫よ。でもあまり長居はできないわ」
その場に現れたのは、人気アナウンサー水無怜奈……というのは前の話。後で知ったけど、引退したらしい。
そんな彼女の正体は『キール』と呼ばれるFBIと共に追っている組織の仲間……ではなく、CIAの人間で組織に潜っている諜報員である。
「貴方が死神で合ってるのかしら」
「ああ」
ジェイムズの指示で、彼女にも私について話すように言われている。
帝丹高校に就任している『レイラ・スカーレット』
大学院生と言っているが実際はFBI捜査官である『A蓮』
この二人の正体が殺し屋『死神』である事を伝える。
「そうそう、君の弟本堂瑛祐の事だけど……君みたいなCIAになりたいんだってさ」
「！そう……」
複雑そうな表情で反応したキール。
まあ、そうだろうな。たしか彼女は自分のミスで命を絶った父親を目の前で見ているのだ。母親も亡くなっていると聞いたから、唯一の家族なんだし複雑に思ってても可笑しくない。
本堂瑛祐は証人保護プログラムを断りはしたが、アメリカへ渡ったので少しは組織の手から逃れられるはずだ。
「では、本来の目的に移ろうか」
ここでキールと落ち合っている目的はこれ。
前にジョディの携帯の調子が悪く使い物にならなかった事で携帯を買い換えたのだ。
その時に電話番号も変えたため、それを伝えるために私が使わされたという訳だ。
「これがジョディの電話番号。……そうだ、私の電話番号も伝えておこう」
蓮の電話番号で十分だろう。レイラの電話番号を伝えても意味はないし。
「でもどうして殺し屋である貴方がFBIと手を組んでいるの？」
「FBIは依頼主さ。……どうやら組織が私を狙っているらしい」
「あぁ。確かに組織内で貴方の名前を聞いたわ」
やはり組織が死神を狙っているのは本当の事のようだ。
前にベルモットと対面はしたものの、一回だけでははっきりとした確証は得られない。
「優先度は低めで構わない。何か私について分かったことがあったら教えて欲しい。……あぁ、無理に探りを入れないようにな」
「……優しいのね」
「君は直接組織に繋がる“糸”なんだから。死んだら困るし」
そう、とキールは口にしその場を後にした。
彼女が去った後、周りを警戒しながら路地を後にし人混みに紛れた。
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ココア - わかりました！気長に待ってます。今回も面白かったです (2021年4月14日 18時) (
レス) id: 465cc8c13a (このIDを非表示/違反報告)
恵野(プロフ) - ココアさん» コメントありがとうございます！一応不定期更新になっておりますので、気長に待って頂けると…！ (2021年4月10日 18時) (レス) id: a722acc2d1 (このIDを非表示/違反報告)
ココア - 面白かったです。続きお願いします！ (2021年4月9日 17時) (レス) id: 9b166c347a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恵野 | 作成日時：2020年10月16日 18時
