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秘書のイリーナによると、今日の午後はタレントの卵だという人と食事する予定があったらしい。
なので、社長が留守中の間に自分が戻ってきても分かるように書き残していたのでは、とイリーナは言った。
「て事は、このメモを千切って持って行ったのはあんたかね？」
「ち、違いマース！社長サン死んでるの見つけて、110番に電話して！警察の人来るまで私何も触ってないデス！でも、tuxedoの事は知ってましたから、留守番電話にもそういれましたよ？」
「留守電？」
そういえば机の上にあったな、固定電話。
チラリと目線をそちらに向け電話を見る。……うん、確かに留守番電話が入ってるな。
目暮警部は赤く点滅している『留守』と書かれたボタンを押す。
ピーッと音が鳴った後にイリーナさんの声が流れ出した。
『Palmerデース。社長サン、もう出かけちゃったんですか？とりあえず頼まれたfile見つかったので、そっちに持って行きマース。あっ、今夜のPartyで着るtuxedoはその後で』
再びピーッと音が鳴った後、午後一時頃に入った留守番電話という音声が流れた。
「確かに」
「もしかしたら犯人は、これを聞いて慌てて逃げたのかもしれませんね」
「もしくは、我々にそう思わせるように犯行後わざわざそう入れたのか……」
「えぇ！？そんなぁ！！」
「可能性はありますね。この『Bring my tux』に何か隠された意味があるとしたら、それを誤魔化すために態と留守電にタキシードの事を……」
「そ、そんなぁ……。酷いデース……」
あそこまで困った顔をしていると、ちょっと彼女が不憫である。
そう思っていると、出入り口側にいる子供達が口を開いた。
「でもよぉ」
「タキシードと言えば、関係がありそうなのは……」
「やっぱり、モデルをやってるって言うそのお兄さんだよね！」
指さされた男性……トビーはちょっと驚いた様子を見せたが、子供達が納得するような回答をした。そのため、子供達もあっさり引き下がった。
ふむ、着眼点は悪くないな。
タキシードは普段着ることはない。だからモデルである彼は着慣れているだろうし、子供達が疑うのも納得はする。
だが確証のない今、彼が犯人だと決めつける事はできない。
「まあまあ、とにかく！こちらで調査しますから、皆さんは別室に」
目暮警部にそう指示され、一旦この部屋から出る事になった。
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ココア - わかりました！気長に待ってます。今回も面白かったです (2021年4月14日 18時) (
レス) id: 465cc8c13a (このIDを非表示/違反報告)
恵野(プロフ) - ココアさん» コメントありがとうございます！一応不定期更新になっておりますので、気長に待って頂けると…！ (2021年4月10日 18時) (レス) id: a722acc2d1 (このIDを非表示/違反報告)
ココア - 面白かったです。続きお願いします！ (2021年4月9日 17時) (レス) id: 9b166c347a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恵野 | 作成日時：2020年10月16日 18時
