story 149 ページ15
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“貴女が本来進むべき道を私は変えてしまった”
“私は貴女を違う道へと進ませてしまった”
“貴女が身に付けた力は必ず人を助けるために使えます”
“だから……”
「……殺す為に身に付けた能力が、どうやって人を救うことに使えるんだよ」
分からないよ、兄さん……。
“僕”には……分からないよ……。
「人は自分を守る為に人を殺す。殺す為に武器を握るんだ。……何が違うの？」
窓に映るのは蓮の姿と、すっかり日が落ちた街の景色。
……人を殺す意味を分かっていないのに、怖くなって後悔しているのなら、最初から殺さなければいいじゃないか。
分かっていない、人を殺すというのがどれだけ重い罪なのかを。
「！！」
気配を感じた。
反射的に後ろを振り返るとそこには……
「こ、コナン君……」
「れ、蓮にーちゃん……あははっ」
驚いた顔をしたコナン君がそこにいた。気付かれた事に驚いているのだろうか。
気配には敏感でね……びっくりしたかい？
「着いてきたのかい？」
「うん。……蓮にーちゃんが心配で」
「そっか。……ごめんな、ちょっと頭に血が上ってたんだ。……怖かっただろ？」
彼の目線に合うように屈み、目の前にある小さな頭にポンッと手を乗せる。
……そうだよな、いくら頭が切れるからと言ってもまだ小学生。怖がらせてしまったことに変わりは無い。
「蓮にーちゃんは……誰か、大切な人を失った事があるの？」
「え？」
「だってあそこまで怒ってたらそうなのかなって……」
彼にはそう受け取ったんだね。……さっきの光景を。
「……君は人を殺すような人間になってはいけないよ」
さ、戻ろうか。
コナン君は納得のいかない表情を浮べたまま頷き、俺の後を追うように着いてきた。
＊＊＊
「車出してくるよ」
ジョディとキャメルにそう伝え、車のキーを指に絡ませて遊びながら移動しようとした時だ。
「蓮にーちゃん！」
「？なんだい？」
俺を呼び止めたのはコナン君だ。
こちらに駆け寄ってきたと思えば耳を貸して欲しいようだったので、屈んで彼の身長に合わせる。
「“例の件”の事、よろしくね」
「ん？あぁ、勿論」
なんでそれを今？
そう思ったが子供達が駆け寄ってきたので、考えるのを辞めた。
「金髪のにーちゃん、またな！」
「あぁ、またね」
元太君は名前を覚えてくれているのだろうか……。
苦笑いを浮べながらその場を離れた。
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ココア - わかりました！気長に待ってます。今回も面白かったです (2021年4月14日 18時) (
レス) id: 465cc8c13a (このIDを非表示/違反報告)
恵野(プロフ) - ココアさん» コメントありがとうございます！一応不定期更新になっておりますので、気長に待って頂けると…！ (2021年4月10日 18時) (レス) id: a722acc2d1 (このIDを非表示/違反報告)
ココア - 面白かったです。続きお願いします！ (2021年4月9日 17時) (レス) id: 9b166c347a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恵野 | 作成日時：2020年10月16日 18時
