story 136 ページ2
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日が西へと沈みかけている頃
血液鑑定と字の割り出しが終わったらしい。
「ほう、やはりそのメモ用紙に付いていた血は須内さんのものだったか」
「ええ。書かれていたメモの字も、社長の筆跡だと」
「で、メモには何と？」
「そ、それが……英語で書かれていて、その意味が……何というか、とてもダイイングメッセージだとは……」
刑事の話に耳を傾けていると、側にいたジョディが高木刑事の背後から彼の手帳を覗き込む。
そしてこう口にした……『Bring my tux』と。
Bring my tux……私のタキシードを取ってきてくれ、か。確かにダイイングメッセージとは言いにくいな。
「えぇ？わ、『私のタキシードを取ってきてくれ』？この社長が残したメモには、そう書いてあったのかね？」
『Bring』は『取ってきて』
『tux』は『tuxedo』…『タキシード』の略語だ。
これを繋げると、Bring my tux…私のタキシードを取ってきて、となる。
刑事にはtuxが分からなかったかな？……それとも、そんなに英語は得意では無いとか？まあどっちでもいいけど。
「しかし分からんな、ペンにも紙にも社長の血痕が付着。筆跡も社長のもの。しかもメモそのものは千切られている、と言う事は……」
「撃たれた社長が死ぬ間際に書き残し、それに気付いた犯人が持ち去った……？」
「うーん、やはりダイイングメッセージとしか……」
そう口にした目暮警部に向かって「No,No!Dying message!!」と声を揃えて伝える者が。
声の主はジョディとハルという塾講師だった。
「あ、そうか！二人とも英語の先生でしたよね！」
「た、確かに僕は塾で英語を教えてますけど、この人達はBureauの捜査官ではありませんでしたっけ？」
「そっそこは訳合って少しの間、先生をやっていたのよ！ねぇダーリン？」
「そっそうですっ！はい！」
だからぎこちないって言ってるだろー。まあ心の中でだけど。
何とか誤魔化せた所で話は再開。
「所で秘書のイリーナさん。この『タキシードを取ってきてくれ』という文に何か心当たりは？」
「は、はい……。多分それは、社長サンが私に当てたメッセージだと思いマース。今夜はpartyがありますから、それまでにtuxedoを用意してくれという……」
「じゃあ、これは事件とは関係ないただの伝言メモだったと？」
「は、はい……」
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ココア - わかりました！気長に待ってます。今回も面白かったです (2021年4月14日 18時) (
レス) id: 465cc8c13a (このIDを非表示/違反報告)
恵野(プロフ) - ココアさん» コメントありがとうございます！一応不定期更新になっておりますので、気長に待って頂けると…！ (2021年4月10日 18時) (レス) id: a722acc2d1 (このIDを非表示/違反報告)
ココア - 面白かったです。続きお願いします！ (2021年4月9日 17時) (レス) id: 9b166c347a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恵野 | 作成日時：2020年10月16日 18時
