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「ちょ、ちょっと待ってよ！！それじゃ話が違うじゃないか！！」
デスタの言った言葉にそう返すのは普通だよね？
だって今から儀式という名の試合をして、ないとは思うけど負けた場合選ばれた11人の魂を……なんでしょ？
僕だけ試合しようがしまいが……って、理不尽すぎる！！
「言ってたよなァ、『悪魔は天使に勝てない』って」
「……だから何？」
デスタを睨むように見上げていた時だった。
「！？」
「光は闇に呑まれる為にある。……そうだろ？」
自分に向けられたデスタの手を視界に入れた瞬間、目の前が真っ暗になった。
＊＊＊
「A……？」
私を連れ去った悪魔らしき人物とAが視線を合わせた瞬間だった。
急に大人しくなったかと思えばAはゆっくりと歩き出したのだ。……ダークエンジェルと言った人達の方へ、と。
「(人1)……？」
フィディオさんがAの名を呼ぶ。
Aは応答する事なく、フィディオさんの隣を通り過ぎた。
「A、しっかりしろ……！！」
豪炎寺先輩がAの腕を掴んだ。
Aは抵抗するかのように豪炎寺先輩の手を振り払った。
「所詮人間は魔王の力には適わない。……俺に無礼な発言をしたことを後悔するといい」
無礼な発言……？
確かにAは生意気な所はあるけど、あの人物にそんな事言ってたかしら……？
結局誰にも止められず、Aはダークエンジェルの元へと渡ってしまった。
ダークエンジェルのメンバーの二人に連れて行かれ、Aは視界から消えてしまった。
「Aさん連れて行かれちゃったッス……！」
「彼奴どうなっちゃうんだ……！？」
壁山君と木暮君の怯えた様子の声が聞こえる。
もし勝てなかったらAは……っ！
「適わない訳ないだろ！！勝ってAを取り返す！！」
こんな時、キャプテンの言葉には救われる。
そうだよね、諦めてたらダメだもの！！
「セインにサッカーの楽しさを思い出させて、Aを取り返す！！な、みんな！！」
キャプテンの言葉に自然と口が開いた。
……お願い、無事でいてA……！
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作者名：恵野 | 作成日時：2020年6月16日 23時
