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「で？結局誰に借りるんだ？」
「吹雪さんが貸してくれる事になりました」
僕の魂胆を春奈に見抜かれ、夏未さんにこっぴどく怒られている所を偶々通りかかった吹雪さんと染岡さんに目撃された。
僕が怒られていた事は内容を暈かして説明し、怒られる経緯であった明日の格好どうしようか問題を話した所、身長もそんなに変わらない吹雪さんに借りる事になった。
「彼シャツって奴だね！」
「はあっ！？きゅ、急に何言い出すんですか！！」
嬉しそうに言う吹雪さんと、急な発言に驚く僕。
その様子を見ていた夏未さんが口を開いた。
「可愛らしい一面もあるのね」
「うっ……」
やり返しされた……！
キッと睨んでみるものの、なんとも無いのか優雅に座っている。
これも全て吹雪さんの所為だ！！
「もしかしてA、吹雪さんと付き合って……！？」
「ないから！！！」
春奈にも遊ばれてる！！
もうやだここのマネージャー陣！！
「なんでそんなこと言うんですか吹雪さん！！」
「えー？照れるAちゃんが可愛いから」
ニコニコとした笑みを浮べてそう言い放った吹雪さん。
分かっててやったのかこの人！確信犯だ！！
「人を弄ってみんな楽しむんだ！！」
「それ人の事言えないわよA」
これに懲りたら少しはイタズラを止めなさい、と春奈に言われる始末。
くそぅ、夏未さんと春奈、吹雪さんはグルだったのか……！
「じゃあ服装の件も何とかなったし……。後は名前ね」
「急に戻るんですね……」
「おふざけに時間は取れませんので」
もう人の恋心を利用してイタズラするのを止めます……いや、人を選ぶようにしよう！やっぱりイタズラは楽しいし！
……あれ、何か寒気がした。なんでだろ。
「Aさんは今大会で英語名で登録されてるのよね？」
「はい、(人1)・(人2)で登録してます」
僕はヒデと同じように苗字と名前をひっくり返して登録してある。
外国では名前の方が先だからね。
「じゃあそのまま使うのは難しいわね……」
「どうしましょう？」
困っていた僕と夏未さんの元に近づく影。
あ、そういえば。
「あの、目金さん。ちょっとお願いが……」
「？はい、どうかしました？」
「目金さんと言えば、ネーミングセンスの塊ですよね！」
「そ、そうですね！！」
目金さんは掛けている眼鏡をクイッと動かしながら、嬉しそうにそう言った。
あ、自分で認めちゃうんだ。すっごーい。
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作者名：恵野 | 作成日時：2020年6月16日 23時
