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後半戦開始
ボールは虎丸から鬼道さんへ渡る。
「行くぞ！」
「おうっ！」
鬼道さんと佐久間さんがアイコンタクトを取った。
……何か仕掛けるな。
だけど、このDFを突破しない限り攻めることはできないよ。
「！？しまった！！」
ミスだろうか。
鬼道さんが蹴ったボールは思わぬ方向へと飛んでいった。
「あちゃー、反応できなかったや」
鬼道さんが蹴った場所は誰もいない場所で、そのまま転がってグラウンドの外へと出てしまった。
もうちょっと視野を大きくしないと。
オルフェウスのスローインで試合再開
が、読まれていたのか投げたボールはカットされてしまい、不動さんへと回った。
「……！そう言う事か」
……そう言う、事？
聞こえた不動さんの呟きに心の中で首を傾げる。
不動さんが鬼道さんとアイコンタクトを取った。……パスだ！
フィディオとジョルジョが鬼道さんをマークしに行った時だ。
「えっ！？」
なんと不動さんは鬼道さんにパスする事なく、誰もいない場所へとボールを蹴ったのだ。
勿論そんな動きをされるとは思わず、フィディオ達は反応に遅れてしまった。
その隙に鬼道さんはフィディオとジョルジョを抜く。
「行くぞ！佐久間、不動！！」
あの三人で上がってきたって事は……！
「「「“皇帝ペンギン3号！！”」」」
“皇帝ペンギン3号”しかないよね……！
やっぱり彼らも日々進化している……前より“皇帝ペンギン3号”はパワーアップしている……！
「……ッ！」
止めきれるとは思っていない。
ブラージの負担を減らせるのなら……！
迫り来るボールとゴールの間に、何とか割り込む。
……大丈夫、必殺技を使う余裕がある！
「“リュミエールミュール改”！」
僕の必殺技“リュミエールミュール”と鬼道さん達の必殺シュート“皇帝ペンギン3号”がぶつかる。
……ぐっ、流石に三人技は厳しかったか……！
「うわッ！？」
パワー負けし、吹き飛ばされる。
くそ、攻めて向こうにいるフィディオ達の方へ飛んでいってさえいれば……！
「“真爆熱スクリュー”！！」
シュートチェイン……！
豪炎寺さんが上がってきていた事に気付かなかった……！
「“コロッセオガード改”！」
ブラージが必殺技“コロッセオガード”を展開する。
……しかし、彼の技は破られてしまった。
響くホイッスルの音。
それは後半にしてやっとイナズマジャパンが追加点を獲得した合図だった。
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作者名：恵野 | 作成日時：2020年6月16日 23時
