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「円堂さんのおじいさんを探す為、コトアールに行って……？」
「ええ」
「コトアール代表の監督の正体は、亡くなったと思われていた円堂さんのおじいさんで……」
「そうよ」
「で、その人に上手く言いくるめられてイナズマジャパンの一員になった、と」
「ちょっと？その言い方止めなさい」
留学と聞いてた夏未さんだが、どうやら円堂さんのおじいさんが生きている事を知り、調査のためコトアールへと向かったそうだ。
僕は知らなかったが、円堂さんのおじいさんは円堂さん宛に世界で会おう的な内容の手紙を送っていたらしい。
自分の孫の壁……脅威として立ちはだる円堂さんのおじいさんを見て、夏未さんも自分の円堂さん達の壁として立ちはだかろうと決め、リトルギガントのマネージャーになったそうだ。
しかし、円堂さんのおじいさんに言いくるめ……説き伏せられて、こうしてイナズマジャパンのマネージャーになったらしい。……いや、戻ってきたの方が正しいか。
「でも驚いたわ。貴女がイタリア代表に選ばれてたなんてね」
「兄さんの手術が決まったんです。でも日本じゃ難しいから、って事で豪炎寺先生がイタリアの医者とコンタクトを取ってくれて」
「そうなの……！良かったわね」
「はいっ！で、イタリア代表に選ばれたのは……」
夏未さんと僕が座っている位置から見える、見慣れたユニフォームを着たチームメイト。
試合が始まるまでそれぞれで時間を潰しているようだ。
「彼らのチームメイトである人に誘われて……。それが彼らとの出会いです」
オルフェウスのみんなは、ヒデの存在があったからなのか日本人である僕を快く受け入れてくれた。
有名な人から誘われた事につい了承の返事をしてしまったが、僕が思っている以上にオルフェウスのみんなは優しい人ばかりで。
「イタリアに来て何も分からない僕の為に時間を割いてくれたり、学校帰りに一緒にどこか遊びに行ったりとか……みんなのお陰で楽しく過ごしてますよ」
「そう……イタリアは貴女に合ってるのかもしれないわね」
「向こうでも色んな人とサッカーしてますけど、中々の実力者ですよ！」
夏未さんと色んな話をしていたら、久遠監督が集合の声を掛けた。
残念ながら雑談タイムはここまでだ。
「随分話し込んでたね」
「同じ留学生同士、盛り上がっちゃった」
フィディオは「そうか」と言って微笑んでくれた。
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作者名：恵野 | 作成日時：2020年6月16日 23時
