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「二人ともお帰り〜。こっちはばっちりだよ」
「ありがとう、(人1)」
ウォーミングアップをしていた頃、フィディオとブラージが戻ってきた。久遠監督から了承貰えたんだ。
あ、勝手にウォーミングアップしちゃったけど大丈夫だったかな。
「ウォーミングアップさせておいてくれたのか」
「思ったより早く終わっっちゃったからさ。勝手にごめん」
「いや、大丈夫だよ。ありがとう」
フィディオと会話していると、イナズマジャパンもグラウンドに入ってきた。
向こうも簡単にだがウォーミングアップを始めたようだ。
軽くボールでも触っていようかな〜と思い、アンジェロに声を掛けようと思った時だった。
「……夏未、さん？」
いるはずのない人物……夏未さんがいた。
雷門中の制服を身に纏い、如何にもイナズマジャパンの人間です、と言ってるように。
僕の呟きが聞こえたのか、夏未さんはこちらに気づきこちらを見て立ち止まった。
「……Aさん」
「こうして話すのは久しぶりですね、夏未さん。……どうしてここにいるんです？貴女はリトルギガントの一員だったはず」
コトアール代表『リトルギガント』
……僕達オルフェウスを完膚なきに叩きのめしたチームにこの人はいたはずだ。
無言の沈黙の中、突然身体が後ろに引っ張られた。
「ちょっとA！」
「は、春奈か……びっくりさせないでよ」
「それはこっちの台詞よ！今にも喧嘩が起こりそうな雰囲気出さないでっ」
「喧嘩って……別に怒ってる訳じゃないんだけど」
気になったから尋ねただけなんだけど……。
そんなに顔怖かったかな。
「！怒っていないの……？」
「なんで怒る必要があるんです？」
「だって貴方達オルフェウスを調べ上げたのは私なのよ？それに……貴女が倒れた要因を作ったのも私。貴女には私を怒る権利があるわ」
だから気まずそうな顔してたんだ。
……夏未さん、そんな事気にしてたのか。
「それ、愚問ですよ」
「えっ……？」
「対戦相手について調べるのは当たり前……どんなチームでもやります。貴女のチームオペレーターとしての能力が高かった、その時点で僕達オルフェウスは負けていた。……それだけですよ」
「Aさん……」
やっと笑みを見せてくれましたね。
不安そうな表情が取れた夏未さんにそう言うと、そっぽを向かれてしまった。
……あ、照れてる照れてるっ。
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作者名：恵野 | 作成日時：2020年6月16日 23時
