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再び魔界軍団Zのキックオフで試合再開。
デスタにボールが渡った瞬間、僕は一気に前へと飛び出す。
「そのボール、頂くよっ！」
「やらせねーよ！」
……ま、見せてくれって言われたら見せてあげなくちゃいけないよね？
イタリアに行ってから僕は前より大きく成長した。
それを元メンバーに知らしめる事もできる、
前の試合ではちょっとしたハプニングがあったからあんまり見せられなかったけど！
「“フラッシュ改”！」
「！？」
進化した“フラッシュ”で相手の目を眩ませる。
その隙にボールを奪う。
「ずっと暗いところにいるから、眩しかったかな？」
「……っ！！」
それだけ言って前を走って行く。
悔しそうな顔を見れて、僕は満足だよ〜。
目の前に現れた相手のMF陣が行く手を阻む。
ちょ、僕多い人数で来られるのは嫌なんだけど！
「Aさん！」
「虎丸っ！」
虎丸へとパスを出す。
お陰でボールを奪われずに済んだよ。
「見せてください！Aさんのシュート！！」
「言ったな？なら、その目に焼き付けなよっ！！」
虎丸からセンタリングが上がった。
見せてあげよう、僕の必殺技を！
「悪魔は天使に勝てないってね！“シャイニングエンジェル”！！」
翼を展開し、ボールに向かって飛ぶ。
輝かしい光を纏ったボールは、羽根を散らしながら相手ゴールへと向かっていく。
「“ジ・エンド”」
相手GKの必殺技がボールを捉える。
……止めきれないよ。だって僕の“シャイニングエンジェル”は、誰にも止められたことのないんだから。
3-3
鳴り響くホイッスル。
遂に同点まで追いついた！
「今の技、“ワルキューレソード”じゃなかったような……？」
「その技の元になった必殺技だよ。どうだ、かっこいいでしょー！」
「はい！！」
“シャイニングエンジェル”は僕と兄さんが生みだした最高傑作の必殺技なんだから。誰にも破らせないよ！
……まあ、破って欲しい人はいるんだけどね。
「あと、虎丸のアシスト最高だったよ！」
「ぎゃっ、Aさんっ！頭をぐりぐりしないで下さい〜っ！？」
やはり期待の新人君っていうのは間違ってないな！
「……」
「……？」
ポジションに戻っていくとき、デスタと視線が合った。
まあ偶々合っただけだろう、と気にせずに横を通り過ぎた。
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作者名：恵野 | 作成日時：2020年6月16日 23時
