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『あの、今日部活で何かあるんですか?普段はそんな誘わないのに…』




私の斜め前を歩いている侑さんに尋ねる


その言葉に少し振り向き、笑って答える




侑「何かあるってわけやないけど、俺はAさんに部活見に来て欲しかっただけ」




その顔にまた胸が高鳴る




侑「あとな、」




侑さんは前を向いて静かに喋り出した




侑「Aさん、俺のクラスメイトの女子に何か言われたやろ」




その言葉に思わず立ち止まる




『!?、んな、なんで…』




お兄ちゃんにも話していないことをどうして侑さんが知っているのか




侑「その女子が教室の端でAさんの悪口言ってんの聞こえてん」





侑「そんで、そいつらにAさんは、そんなやつやないって言うたら」




そんなことを言ったら侑さんが嫌われてしまう





侑「いきなり態度変えよって、どっか行ったから、Aさんのとこ行ってたらどうしようかと思て迎えに来た!」




ニッと笑う侑さんに私もつられて口角を上げる




『ありがとうございます…!』




侑「何かあったら俺に言うてなって言うたやん?」




『っふ、そうですね…!』




今まで喉に詰まっていたものが一気に流れて、やっとまともに空気を吸えた瞬間だった。


気持ちも一気に楽になって、私はもう一度侑さんに笑顔を向けた




侑「っ、さ!部活行こか!俺遅刻扱いになってまう!」



うん、と頷いてゆっくり走る侑さんの背中を追った

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作者名:恵舞 | 作成日時:2020年5月29日 18時

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