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『理石くん…?』
『ど、どうしたん?びっくりした…』
理石くんの元へ行って尋ねると、意外な答えが帰ってきた。
理「いや〜たまには、その、Aと一緒に帰りたいな思て…」
いつも1人やろ?と後頭部に手を当てながら言う理石くんは照れているようにも見えた。
『ええけど…ほんまに急やな…じゃあ、私勉強して待っとるね』
理「おん!部活終わったら迎えに行くわ!」
理石くんはそう言って大きく手を振り、教室を出て行った。
理石くんの背中を見送ってから時計を見て、さっきリュックに詰めたばっかりの教科書たちを机に出す。
部活終わるまではあと2時間くらい…。今日の数学の復習でもしようかな?
そう思い教科書を開いたとき、また勢いよくドアが開いた。
そして周りがざわつく。皆早く帰ればいいのに。私は理石くんを待っているわけで…
「いた!Aさん!Aさん!」
私の名前を呼んだのが聞こえて、反射的に声の方を向くと、笑ってこちらを見ている金髪の人がいた
え、金髪?
『えあ、侑さん!?何でここに…』
侑「Aさん、部活見にこうへん?前みたいに!」
侑さんが話していることに理解が追いつかず、その場でポカンとしてしまい、侑さんがAさん?と呼んだときに我に返った。
『わ、私、理石くんを待ってるので、部活はまた今度見に行きます』
謝罪の意を込めて頭を下げるも「えー」という声が聞こえて、思わず侑さんの方を見る
侑「あ、でも理石もうちの部やから、ええやん!見にくれば!」
『あ、そっか…』
侑さんは「決まり!」と言って私に早く教科書を片付けるように促す
断れるような雰囲気じゃなかったから、私は侑さんについていくことにした。
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作者名:恵舞 | 作成日時:2020年5月29日 18時