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ゆらり、小さな影が動いた。
女の子の小鹿のような、か細い足が折りたたみ斜めに傾けられていた。
「うわ、わ、？！」
一気に走り出し、女の子を抱き寄せる。
温かなぬくもりを肌で感じるも、ひぅひぅと浅すぎる息遣いが耳元で聞こえた。
「ねえ！聞こえるっ！」
ゆらゆら女の子を動かしても、反応がない、―――
火の海と化した周囲の熱気に汗がしたたり落ちた。
私の荒い息遣いも口からあふれる。
やばい、やばい、やばい、やばいッっ・・・！！
女の子に意識がないッ・・・！
辛うじて息もしているけど、いつ止まったっておかしくない状態だ・・・！！
ああ、倒れているママさんもぐったりとしている・・
炎は、目前だッ・・・
意識をしっかり保てぇ・・・・
大丈夫。まだ、まだ、私は倒れては、いけないッっ・・・！
朦朧とし始めた意識を、奮い立たせる。
脳みそをフル回転し、考える、考える、考える。
だが、この集中も長く持たない、――――
「・・・ぃってぇじゃあねぇえかよおおおッっ！！」
炎が勢いを増し、業火となった火の中。
頭から血をたらたら流した鬼の形相の近く、
黒いすすが付いたバスケットボールが転がっていた。
「チッ・・このまま脳震盪でも起こしてくれればよかったのに・・！」
頑丈な奴め・・、なかなか善良な行いと言えない行動だが、しかたない。
女の子を助けるためだ、これは正当防衛なのだ・・・
て、そんな悠長なことしてらんない。
状況を整理しろ。
相手は、
２メートル近くある大男で、
たびたび、炎が勢いづくので、おそらく“個性”は、“炎をつかったこと”。
対して私は、無個性。ついでに貧弱な女子である。
体育は、できないことはないが凡人レベル。(このご時世、凡人枠ってないか？)
どう、あがいたって結果は、目に見えている。
愚図でも愚者ではない。
けど、
私は、―――――
「雄英の特待生枠として、人生のスタートダッシュを大きくきって、
今まで見下してきた奴らより、幸せをつかんでやるッっ！！」
女の子をゆっくり、なるべく炎より遠い場所に置いた。
半分以上、意識がなくなりかけている・・・
足超ふらつくッっ・・・・！！
「だ、だから、・・今ッッっ！！
女の子とママさんを救け、――――
生きてやるんだぁぁああぁあああぁぁッッッ！！！」
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あすか - 1つの場面が長すぎて面白そうな内容なのに読む気が失せてきます。頑張って (2020年4月17日 2時) (
レス) id: bf8ad30298 (このIDを非表示/違反報告)
うゐっち - りょうさん» 誤字指摘ありがとうございます。毎回すみません( ；´Д｀) (2017年8月15日 12時) (レス) id: c9f5c62ec3 (このIDを非表示/違反報告)
りょう - すいません、3話のなりふり構いませんが、名に振り構いませんなってます。突然すいません。お話面白かったです！ (2017年8月12日 16時) (レス) id: 6d9b7e2028 (このIDを非表示/違反報告)
うゐっち - 蕾姫さん» はいそうです。これのモデルに少しなっています。不快でしたらすみません(;´∀｀) (2017年8月11日 11時) (レス) id: c9f5c62ec3 (このIDを非表示/違反報告)
蕾姫(プロフ) - なんか、まどマギっぽいですね。私の勘違いだったらすみません(笑) (2017年8月10日 2時) (レス) id: 8ba50c6137 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うゐっち | 作成日時：2017年4月10日 17時
