38.これは… ページ39
夏休みも終わりに近づいてきた頃
連休明け…
いつもよりはやく音楽室に来て考えた。
この前祐翔くんが輝いて見えたのは何故だろう。
最近祐翔くんが来たとき
嬉しく感じるのは何故だろう。
真剣な表情も笑顔も…
どんな顔でも輝いて見えるのは何故だろう。
私はこの現象を知っている。
多分…うん。
恥ずかしくて心の中でも言えない。
そのとき
｢おはよう｣
祐翔くんが来た。
｢おはよう…｣
気づいてからは喜びより恥ずかしさが大きい。
声を聞けただけで嬉しい。
｢久しぶりにA見たなぁ｣
｢うん…｣
名前を呼ばれるとなんか心臓がきゅってなる。
ずっと下を向いていたので
｢大丈夫？｣
と言いながら祐翔くんがのぞいてきた。
｢見ないで…！｣
でも私は顔を隠した。
見られたくない。恥ずかしい。
こんなんで部活やっていけるか…
｢A…？どうした…？｣
少し悲しそうな声が聞こえたので顔を上げると
悲しそうな顔をした祐翔くんがこちらを見ていた。
そんな顔は見たくない。
笑ってほしい。
｢悲しませるつもりはなかった…
でもなんか見れなくて…｣
｢なんで見れない？｣
それは言いたくないんですけど…
と同時に顔が熱くなるけど
仕方ない。言うしかない。
｢意識しはじめたから。気づいたから…かな｣
｢それは…何に…｣
｢それは恥ずかしくて言えません！！｣
と言った瞬間
｢おはようございます〜いや〜青春。｣
｢先輩！？お…はようございます｣
先輩が来た。
と思ったら祐翔くんが耳もとで
｢今日残って。｣
と言ってきたので
｢ん…わかった…｣
と返事。
恥ずかしかったしくすぐったかった。
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作者名：もにょもにょ | 作成日時：2016年8月2日 20時
