蒼き太刀 【弐】

七十八話 ページ32

炭「Aさん！！反射訓練一緒にやりましょう！！」

伊「おい紋治郎！！Aは俺と全身訓練をするんだよ！！」

善「おい伊之助！さんを付けろ！！」


元気だなぁと見守りながら解される体の痛みに耐える為に、拳を固めて蹲っていると体をほぐしてくれていた、きよちゃんが左手を取って黄色い声をあげた。


き「きゃぁぁっ！」

ア「どうしたんですか！」

き「指輪してるんですね！！しかも薬指にっ！！」

貴「え？ああ……あー……」

ア「ちょっとAさん！なんで教えてくれないんですか！しのぶ様に報告しないと！！」

貴「いやいや！！言わなくていいっ！取り忘れてただけだからっ」


普段は取って隠しているのだが、今日は少し寝坊したのと義勇が少し恋しくて指輪を付けたまま眠ってしまったのが悪かったらしい。
蝶屋敷の中はワイワイ賑わっていき他の怪我をしている隊員やしのぶまで集まってきた。


し「さてA。私はもう分かっているんですよ」

貴「俺は分からない」

炭「クンクン…しのぶさん、Aさん嘘の匂いがします」

し「だ、そうなので…さぁ言ってください。相手は誰なんですか？」


せめて周りの面子をどうにかしてくれと思っているAはもう一度周りを見渡した。
耀哉にその奥方とご子息達に柱…そして蝶屋敷にいた隊員達に囲まれている。
そんなに相手が知りたいんですか皆さん、俺ら知られたくありません。大人しく帰ってください

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