おつかい3 ページ20
そのまま不破さんに頭を撫でられていると、社用車であろう車が私たちの前に停まり、中から甲斐田さんが現れた。
「Aさん…!?アニキセクハラですか見損ないましたよ!」
大声の甲斐田さんに手刀を繰り出した不破さんを制止しつつ、先程のあらましを伝えると
「なんだ〜アニキがとうとう手出したのかと…。Aさんは頑張ってますし、スタッフさんもみんな褒めてましたよ!この間なんて…」
私の知らない私の話に戸惑いつつも、二人とも慰めてくださってるんだと嬉しくなる。
「不破さん、甲斐田さんありがとうございます。私でもできる事があるって改めて分かりました。…うじうじ悩んでないで、目の前の仕事を頑張りますね!」
そう決意表明をするとすかさず甲斐田さんが
「じゃあ道案内と荷物の確認とかお願いしますね!」
と車の助手席を開けてくれた。
「すいません…じゃなくて有難うございます、運転よろしくお願いします!」
甲斐田さんはうんうんと頷き、自身も運転席に座った。
不破さんはこれから配信があるそうで、ここでお別れとなった。
「甲斐田ァ、事故なんて起こしたら張っ倒すからな。Aちゃんも気をつけてね」
「アニキ、任せてください!」
「不破さん、お疲れ様です!明日もよろしくお願いします!」
私と甲斐田さんは不破さんに見送られつつ、荷物が置いてある営業所に向かうのだった。
そういえば甲斐田さんと二人きりになったのは初めてだと思い、どう話を切り出そうか悩んでいると、甲斐田さんから話を振ってくれた。
「さっきの話ですけど、Aさんの話、収録外でよく聞くんですよ。最近だと社長がお昼作って貰ってるとか!」
「そうなんですね、叔父の分と一緒なので大したものは作れていないんですけど」
「そんな事ないですよ、社長めっちゃ褒めてましたよ!」
そう言う甲斐田さんは子犬みたいな表情をしていて、
「…良かったら次の撮影の時、甲斐田さんの分もお作りしましょうか?」
と、提案した所ではっと我に帰る。
「すいません調子に乗りまし「お願いしていいんですか!?」え、」
前のめりな返事に思わず肩がびくついてしまった。
「わ、あ、すいませんつい嬉しくて…でも嫌でした?」
その言葉に私はぶんぶんと首を振る。嫌なんて思うはずも無いと伝えると、甲斐田さんは良かったぁと笑った。
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水(プロフ) - realさん» 夢小説を書くのは初めてなので、そう言ってくださると励みになります!ありがとうございます! (6月30日 19時) (レス) id: 3a5445a685 (このIDを非表示/違反報告)
real(プロフ) - めっちゃ面白いです(*´-`)主人公ちゃんかわいいwこれからの展開が楽しみです! (6月30日 11時) (レス) @page12 id: 3d1cb866c0 (このIDを非表示/違反報告)
水(プロフ) - 職員ジーニーさん» お読みいただきありがとうございます!頑張ります! (6月30日 10時) (レス) id: 3a5445a685 (このIDを非表示/違反報告)
職員ジーニー(プロフ) - とても面白いです!更新楽しみにしてます! (6月29日 19時) (レス) @page2 id: da50b82fa9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水 | 作成日時:2023年6月27日 12時