お礼•2 ページ16
良かったらどうぞ、と言って加賀美さんから差し出された紙袋を見ると、高級洋菓子店のクッキーだった。え、と加賀美さんを見ると今日のお昼のお礼だと言う。
「今日の撮影が予想以上にハードでして…お昼を頂いていなかったら倒れていたかもしれず」
なので、苦手じゃなければ頂いてください。と、私がお昼に伝えた言葉と全く同じように言ってきた。ここで受け取らないのも逆に悪いと
「クッキー、大好きです。有り難く頂きます」
そう受け取ると、加賀美さんは小さく良かった。と呟いた。
そこからお互いにぽつりぽつりと会話をした。
「そういえば加賀美さんって、お昼はいつもあんな感じなんですか?」
お昼の忙しなさそうな様子を思い出し、聞いてみる。
「いつも、というほどでは無いのですが…収録中は携帯を見ることが少ないので業務中のトラブルなど、その皺寄せがお昼に来るんですよね。」
あはは、と力なく笑う加賀美さん。しかし、ライバー業も社長業もどちらも私がやりたい仕事なので、頑張るしか無いという彼の様子に私も何か力になりたいと思った。
「加賀美さん、ご迷惑でなければなんですが。お昼、加賀美さんの分も作らせて下さい」
どうせこれから叔父の分も作るようになるので、一人分増えたところでどうって事は無いはずだ。
「ただ、レパートリーはあまり無いので、あまり凝ったものは作れないのですが…あ、他の方のように注文できる時間があればそっちを食べてください!」
あくまでお昼ご飯の保険くらいに思ってくれれば、と付け足すと加賀美はやはり申し訳ないと断ってしまう。しかし、私も今日のような加賀美さんはもう見たく無いと思い、こちらも意固地になってしまう。
「申し訳ないとかじゃ無いです。私はROF−MAOの一スタッフとして、皆さんが万全な状態で収録していただきたくて…!」
つい大きくなってしまう声に、加賀美さんは目を見開く。
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水(プロフ) - realさん» 夢小説を書くのは初めてなので、そう言ってくださると励みになります!ありがとうございます! (6月30日 19時) (レス) id: 3a5445a685 (このIDを非表示/違反報告)
real(プロフ) - めっちゃ面白いです(*´-`)主人公ちゃんかわいいwこれからの展開が楽しみです! (6月30日 11時) (レス) @page12 id: 3d1cb866c0 (このIDを非表示/違反報告)
水(プロフ) - 職員ジーニーさん» お読みいただきありがとうございます!頑張ります! (6月30日 10時) (レス) id: 3a5445a685 (このIDを非表示/違反報告)
職員ジーニー(プロフ) - とても面白いです!更新楽しみにしてます! (6月29日 19時) (レス) @page2 id: da50b82fa9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水 | 作成日時:2023年6月27日 12時