我々だに恋をする (ページ13)

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食べ物は残さない2(tn) ページ13

彼は私を見つめ続ける
私は目なんて合わせられるはずもなく
下を向き続けた

怒っているのだろう子供みたいに駄々を捏ねたことに
自分が母になる立場になるかもしれないのに
そう思うとにんじんを食べる気になった
だが私が成長するための人参は彼のお腹の中

時すでに遅しとはこの事だ

まずは自分の不甲斐なさに一言謝りを入れようと
彼の方を見る

すると待ちわびたと言わんばかりの顔で後頭部を手で抑えられ口付けされた

いきなりの事で目を見開くがこれまた時すでに遅し
彼の舌が口の中に侵入してきた
少し人参の味がする彼の口中だが気になんてしてられない

とろけるような溶かされるような柔らかく
吸い取られる彼のキスは脳みそを働かせなかった

やっと離され彼の顔を見ると
笑っていた

なぜ笑っているのか惚けた頭では理解もおぼつく
笑顔で居続ける彼は私を置いて寝室に向かった

トン「子供なんやったらもうこんな大人なキスも夜更かしだってできんなぁ」

「え、ええ！！」

冷蔵庫にまだ調理していない人参があるはずだが

彼が他の方法でも許してくれるという言い方をしてきた

今から恥ずかしがりながら彼の元に行くのか
頑張って今からにんじんを茹でて目の前で食べるのか

彼の機嫌を治すには一体どうしたらいいのでしょうか