食べ物は残さない(tn) ページ12
トン「A！またにんじん残してんで！！」
ハンバーグと一緒に野菜などが置かれていたお皿は
にんじん以外私のお腹に消え去ってしまったがどうしてもあのオレンジの物体はお腹にしまえなかった
トン「今日は大好きなハンバーグ一緒に作るから食べるの頑張るって言ったやん」
「そ、そうだけど」
一緒に何かをするのが大事とまだお付き合いをしている中で結婚した時を考えて
毎週日曜日に一緒にご飯を作る習慣を作った
本日の献立はハンバーグとなり
ならいつも食べれないにんじんをハンバーグと一緒に詰めたら食べれるのではないかとトントンは考えてくれて
それを実行することになった
だが人参は茹でて甘く柔らかくなった状態で出してもらったが
食べられない
どう頑張っても食べられない
ハンバーグを口に含み少し咀嚼して人参を小さく切ったのをフォークでさし
口に運んだが
脳みそが拒絶反応を起こし口が開けられなかった
トン「口開けさせたろか」
ガシッと音が鳴るような持ち方で私の顎と額を鷲掴みされた
「いふぁいいふぁい」
痛いと訴えると額を持っていた手がにんじんを持つ私の手を掴み人参を唇にあてがった
「んふぅー！！」
慌てて口を閉じてハンバーグを飲み込んでしまった
急な飲み込みで喉に負担がかかり咳を何度かしてしまう
トン「スマン！大丈夫か」
心配してくれているが
大人にもなってにんじんが食べれない子どもな私を意地になって食べさせようとした行為が
少しムカついた
「もういい！人参なんてトントンが食べれば人参だって幸せだよ」
お皿に人参を起き水を飲み干す
トン「頑張るって言うたやん」
「無理なものは無理！お願い人参食べてあげて！」
彼の表情は少し悲しそうだが私が成長するために粘る
トン「ガキか！今日こそ食べるんや！」
「もうガキでいい！大人じゃなくていい！」
その言葉に彼のまゆはピクリと動いたのを見逃さなかった
怒ったのか呆れたのかはたまた悲しんだのか
プラスの感情ではないことはわかった
トン「フーン子供でええんか、そうかそうか」
これは怒りの方だろう人参に目を落とす彼は
フォークで全ての人参を食べてしまった
「あ、」
もぐもぐと動く口を何も言えずに見ていた
少し罪悪感と焦燥感が襲った
達成されるはずだった事が出来ずに終わった事を悔いた
ゴクリと喉仏が上下に動く
飲み込んだのだろう私の人参を
こんな簡単なことすら出来ないのかと言われている気がしていたたまれなかった
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作者名：女神 | 作成日時：2018年5月19日 1時
