＊＊ ページ6
.
「Aー！はいっ！チョコ！」
「わぁ！美味しそう！ありがとう！」
「うん！」
「……あの、ごめん、チョコ今なくて……」
「？」
さっきから何度したかわからないやりとり。
今私の手元に、チョコの入ったエコバックはなくて。
朝、隆平がもってくれたんだけど
そのまま貰うのを忘れちゃって
っていうか！
学校に着いた途端、「ごめん！ちょ、いくわ！」と走って行っちゃったんだもん。
隆平が悪い！！
「Aってほんと丸山くんと仲良いよね〜」
「あー、うんまぁ。」
「いいなぁ、かっこいいよね〜優しいし！」
「いや、腐れ縁よ、」
「あんな人が近くにいたらそれだけで幸せだろうなぁ」
学校でも有名な隆平。
困っている人がいたらすぐに助けてくれるし
ジェントルマンだし
よくスベってるけど、気さくで楽しいし
何より
あの、笑顔
隆平がにこって微笑むと
大抵が、 落ちる。
小さい時から一緒だったわたしは
隆平の意外と黒い部分とか、気にしいなところとかも知ってるけど。
たぶんそれすらも
「ギャップ萌え〜〜」とかなんとか言って女子受けするんだろうな。
「丸山くん、今日は大変だろうね〜」
「なんで？」
「バレンタインだもん！告白する人多いんじゃない？！」
「…そっか…」
隆平の勝手にすればいい。
別にわたしはなんとも思わないし。
わたしが口を出す権利もない。
幼馴染にはどうすることもできないのだから。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 29人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めー | 作成日時：2017年2月15日 22時
