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「あ、お忘れ物ですか?」

「いえ、あの、知り合いが中にいまして……」



どうやら顔を覚えられていたらしく、
店員さんに呼び止められて。

事情を説明すれば、不思議そうな、なんなら疑うような表情を一瞬見せたあと、確認をとるため奥へと移動した店員さん。



少し待たされたあと、ようやく店の中へと案内される。







“倫也さんが、もう帰るならこっち来たら?って”



あのあと送られてきたメッセージには、
そう書かれてた。


え。中村さん、が?
ていうかこっちって……え、どういうこと?

理解が追いつかないうちに、さらにもう一通。



“こっちおいでよ”



そのメッセージのあと。

…………たぶん、自撮りだ。
お店の壁を背に、真顔のような、わずかに微笑んでるような中村さん。まさに今撮りましたって感じの。


きっと、さっきのメッセージも中村さんが送ったもので。



迷うべきとこなんだけど、
なんなら遠慮するべきところなんだけど。

…………い、き、ま、す。
その4文字を、指が勝手に打ち込んでしまってた。






どき、どき。

店員さんの後を着いていきながら、
心臓がどんどんうるさくなってる。


どうしよう、来てよかったのかな。
緊張よりも、後悔の方が大きいかも。



だって今までは、不可抗力的なところが大きかったけど。今は、確実に自分の意思なわけで。

や、でも断れるかって言ったら微妙だし、
これも不可抗力……?



なんてあれこれ考えてたら、あっという間に。



「失礼します、お客様をご案内いたしました」



あー、本当に来ちゃった。
って、あれ?ここ……


そこは、私たちが飲んでたところから、
部屋2つ分しか離れてなくて。

まさか、こんな近くで飲んでたなんて。



なんだか不思議な感じだけど、
その感覚に浸る間もなく。

心の準備すらさせてくれず、
店員さんが、容赦なく扉を開いた。





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ハコ(プロフ) - コメントありがとうございます〜ただいま多忙につき更新停滞中で申し訳ございませんがのんびりお待ち頂けると嬉しいです´`*よろしくお願いしますペコリ(.. ) (2020年11月12日 9時) (レス) id: 2cc286783b (このIDを非表示/違反報告)
Waaaaka03(プロフ) - とっても面白いです!トプコ好き、倫也さん好きの私には美味しすぎるお話しです!またぜひ更新楽しみにしてます! (2020年11月10日 17時) (レス) id: cdc37d69d8 (このIDを非表示/違反報告)
そぼく(プロフ) - とても面白いです!更新楽しみにしています(^^) (2020年7月23日 1時) (レス) id: f0643b20a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハコ | 作成日時:2020年5月22日 8時

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