だまされました。

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「最近ふーるで始まったドラマなんですけど〜」



出演者がめちゃくちゃ豪華なんですよ！なんて彼女が興奮しながら言うとおり、その画面に映ってるのは見事に知ってる人ばっかで。

それも今をときめくイケメン俳優さんばかり。



で、その合間に挟まれる声は、確かに私と似ていて。

いや、なんか自分で聞いたら変な感じするけど、でもやっぱり聞こえてくる言葉は、見事に言った覚えのあるものばかりで。



……これ、私だ。
私だよ、八木さん！

なんて、声に出しそうなところをぐっと堪える。
だって、そんなこと言ったら大騒ぎになっちゃうもんね。

あ、なるほど、だから口外禁止ね。はいはい。
あの妙に分厚い契約書を思い出して、思わず納得。




するわけない！
これは完全に、だまされてる！！




なんとかその場は誤魔化したけど、
その日は仕事中もずっと落ち着かず。

会社を出てすぐに監督さんに電話したけど繋がらず。



夜にやっとかけ直してきたところに追求してみれば、
騙したわけじゃない、と前置きしたあと。



「ちゃんと説明させてもらいますんで、20日の夜お時間いただけますか？」



と、その言葉を信じて、呼び出された場所まで来てみれば。

どうやら、わたしはまた。



「それでは、撮影が無事半分終了したことと、再生記録の更新を祝しまして……かんぱーい」

「「おつかれさまでしたー」」



だまされたー！！！




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