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苗字で呼ぶか名前で呼ぶか ページ5

『何処までついてくんの。』
太「何処までも。」
『怖いわ。』



仕方がないので、あのあとずっと屋上にいた。で、今帰ろうとしてるんだけど……なんでついてくんの、太宰君。



太「私、君のこと気に入っちゃった。」
『身分を考えろ。』
太「身分違いの恋の行方は、何時だって心中だよ?」



こいつ、ほんとに何なの。心中ってあれだよね、恋人とやるやつ。



『心中は恋人とやれ。』
太「じゃあ私と恋人にならない?」
『……。』



仮にも顔は整ってるし。無駄にいい声してるし。何より、耳元で囁かれたら、さ。



『鳩尾殴っちゃうよねー!!』
太「おっと危ない。」



私の打撃をひょいとかわす太宰君。なんか慣れてないか、こいつ。あ、そっか。いじめられてたんだ。慣れるよね、そりゃ。



『……。』
太「Aちゃん、そんなに考え込んで如何したの?」
『名前で呼ぶな。』
太「えー……なら、白雪さん?」



__「白雪姫」。



あれ、なんだっけ?



『……名前でいい。』
太「恋人承認?」
『違う。あ、私の家ここだから。じゃあね。』
太「お邪魔しまーす。」



蹴りが炸裂した。

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作者名: | 作者ホームページ:nothing  
作成日時:2018年8月9日 2時

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