ポートマフィア参謀は幼女らしい。

無効化らしい。 ページ8

虎が雄叫びをあげ、太宰に襲いかかる。



太宰はそれをひょいひょいと避ける。
いつの間にか背後にエトがいた。



『太宰、あれどーするの？』
太「ほっておけば君を殺してくれるかな。」



虎の脚がそばにあった木箱を破壊する。



太「こりゃ凄い力だ。人の首くらい簡単に圧し折れる。」



二人はそれさえも身軽に避けるが、壁に追い詰められてしまった。



太「おっと。」
『あーあ。』



虎が地面を蹴る。



太「獣に喰い殺される最期というのの中々悪くはないが



君では私を殺せない。」



太宰の手が、虎の眉間に触れた。
その瞬間、虎の体が意識を失った少年の姿に戻る。



太「私の能力は＿あらゆる他の能力を触れただけで無効化する。」
『かぁっこいいー！流石太宰だね！』
太「黙り給え。」



敦の体が太宰に凭れかかる。
それを太宰は＿


太「男と抱き合う趣味はない。」



無慈悲にぱっと離した。
当然、敦の体は地面と衝突した。



国「おい、太宰！」



倉庫の入り口に人影が現れる。
国木田だ。



太「ああ、遅かったね。虎は捕まえたよ。」
国「！その小僧…じゃあ、そいつが。」
太「うん、虎の能力者だ。変身してる間の記憶がなかったんだね。」
国「全く＿次から事前に説明しろ。肝が冷えたぞ。」



国木田の手には一枚のメモ。



“十五番街の西倉庫に虎が出る
逃げられぬよう周囲を固めろ”



国「おかげで非番の奴らまで駆り出す始末だ。皆に酒でも奢れ。」



国木田の後ろから三人が進み出る。



与「なンだ、怪我人はなしかい？つまんないねェ。あ、そこのお嬢ちゃんはどうだい？」



与謝野晶子＿能力名『君死給勿』



乱「はっはっは。中々なったじゃないか、太宰。まあ、僕には及ばないけどね！」



江戸川乱歩＿能力名『超推理』



賢「でも、そのヒトどうするんです？自覚はなかったわけでしょ？」



宮沢賢治＿能力名『雨ニモマケズ』



国「どうする太宰？一応区の災害指定猛獣だぞ。」



国木田独歩＿能力名『独歩吟客』



太「うふふ、実はもう決めてある。」



太宰治＿能力名『人間失格』



『えー、なになに？？』



エト＿能力不明



太「ああ、何、君いたの。早く帰り給え。」
『むぅっ！しょうがないなあ、これにて退散しますう！』



エトが去ると、もう間もなく太宰の発言により
倉庫に絶叫が響き渡る。



太「うちの社員にする。」
「はああああ！？」
『…なんだったんだろ。』



中島敦＿能力名『月下獣』

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