決断らしい。 ページ45
Noside
モ「はい、おしまーい★」
両手を挙げ、モンゴメリは嬉しそうに云う。
モ「それで、おじさまはどうなさるの?」
森とエトのおかげで敦に逃げられずにすんだ。そのお礼に逃がしてもいいが__
モ「おじさまとお子様がアンに捕まった時の、絶望した顔を見てみようかしら。」
森「__この子に、手を出す?」
突然、森が殺気を放った。モンゴメリもアンも震えて動けなくなる程の殺気を。
森「無理だな。何故ならば君は既に敗けている。見るといい。」
森に促されるまま、ゆっくりと奥の扉を見る。刹那、奥の扉が揺らめいた。
そこにいたのは敦だった。手に引かれながらも、虎化した両手両足で扉にしがみついている。
モ「どうして__ドアは確かに閉まったはずなのに!」
敦「君の見落は一つ。この闘いは最初から二対一だ。」
そこでモンゴメリは気付いた。ドアが開いた瞬間に、谷崎の『細雪』で扉が偽装されていたことを。
そのうえで部屋へと吸い込む力に腕力だけで抵抗したのだ。
敦「きみは……思い違いをしてる。ぼくは強くも人気者でもない。寧ろ生きる事はずっと呪いだった。だから、他人を妬む怨む君の
本当は君はなこの作戦を失敗して欲しくない。居場所を失って欲しくない!でも__僕は弱くて未熟だから、他に方法が思い付かない。」
モンゴメリの体がぐいと引っ張られた。細雪が消え、現れたのは巻かれた飾帯だった。
モ「これは……!」
敦「飾帯を君に結んでおいた。引き込まれる直前に。」
飾帯を一気に引く。モンゴメリを敦が捕まえた。
モ「はっ、放しなさい!」
敦「異能を解除して皆を解放しろ。でないと君を、奥の室へ引きずり込む。」
鍵がなければ扉は開かない。ならモンゴメリが幽閉されれば、扉を開けられる人間は誰も居なくなる。そうなってから能力を解除してもモンゴメリは元の世界に戻せない。
敦「異能は便利な支配道具じゃない。それは僕が善く判ってる。自分の創った空間に死ぬまで__否、死んだ後も囚われ続けたいか?」
モ「あたしは……失敗するわけには。」
敦「今から手を離す。決断の時間は扉が閉まる一瞬しかないよ。」
モ「だめ、待っ」
敦が、手を離した。
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アリス(プロフ) - 市さん» そうだったんですか!かわいいな〜って思ってました笑笑 (2018年8月10日 8時) (レス) id: aa81118cef (このIDを非表示/違反報告)
市(プロフ) - アリスさん» ちなみに、名前固定にしたのは「エートエート」って歌わせたかったからという……。 (2018年8月10日 2時) (レス) id: cb02209811 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 市さん» あ〜確かに。私もエトって可愛い名前だな〜程度にしじゃ思っていませんでしたからね.... (2018年8月10日 2時) (レス) id: aa81118cef (このIDを非表示/違反報告)
市(プロフ) - アリスさん» あー…やっぱプラプラはばれますね…。個人的に“エト”ってカタカナにすると“絵都”っぽくないなあと思っています。 (2018年8月10日 2時) (レス) id: cb02209811 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 凄いです!私も森絵都さんのカラフル読んだのですが、こんな利用方法は思いつきませんでした.... 因みにプラプラのところで分かりました笑笑 (2018年8月10日 2時) (レス) id: aa81118cef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:市 | 作成日時:2018年7月3日 4時