ポートマフィア参謀は幼女らしい。

35人殺しらしい。 ページ22

？「敵の盡くを切りきざめ。『夜叉白雪』」



夜叉が通り過ぎる。その一瞬で、敦の腹が切られていた。



強すぎる…！



敦「何故…君みたいな女の子が。」
鏡「…私の名は鏡花。あなたと同じ孤児。好きなものは兎と豆府。嫌いなものは犬と雷。マフィアに拾われて、六ヶ月で35人殺した。」



鏡花が淡々と告げる。その顔に表情はなかった。



？「爆弾を守れ。邪魔者は殺せ。」
敦「35人殺し…！」



再び夜叉白雪が発動する。刀が、敦の腹に刺さった。



同時刻、後部車両。ぼろぼろになった与謝野が、梶井に踏みつけられた。



梶「これから君は死ぬわけだけど、その前に教えてくれ。『死ぬ』って何？」



ナイフを出しながら、梶井が問う。与謝野は目を見開いた。



与「…何だッて？」
梶「学術的な興味だよ。僕は学究の徒だからね。人の死因＿脳細胞の酸欠もテロメアの摩耗も＿実験室レヴェルでは単純で可逆的な反応だ。なのに何故死は不可逆なのだ？何故人は孰れ必ず死ぬ？」



与謝野から笑い声が漏れた。



与「そんな事も判らンのかい？大した事ないねェ、マフィアってのも。」
梶「理学の求道者たるこの梶井が知らないことを…街の便利屋探偵如きが判ると？」
与「勿論。理由は簡単。アンタがアホだからさ。」



梶井は怒りに任せてナイフを与謝野の手に刺す。与謝野は呻き声を上げた。



梶「参考になる意見をどうも。」



白衣の袖から檸檬型爆弾が出てくる。笑いながら梶井は車両を出る。数秒後、爆発音が鳴り響いた。

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