ポートマフィア参謀は幼女らしい。

男女平等らしい。 ページ18

かくして買出しに付き添う敦の両腕には、これでもかというほど袋やら箱やらが積み重なっていた。



敦「ま、まだ購うんですか？」
与「落とすンじゃないよ？落としたら＿＿。」
敦「お…落としたら？」



ニイッと笑う与謝野の顔には、確かに謎の狂気が混ざっていた。思わず苦笑いする敦の隣をスッと誰かが通る。



和装の少女。



何を感じたのか、一瞬お互いは見つめ合う。これが運命などとロマンチックなものではないことを、敦は知る由もない。



さて、よそ見をした敦は当然人とぶつかり、バランスを崩す。先ほどあれだけ恐怖を感じたにも関わらず、与謝野の言いつけに反し荷物の檸檬をポロリと落とした。



運が悪いとはこのこと。転がった檸檬は、何やら怒鳴っている男性の足元まで転がり、その男性は見事に転んだ。



与「あーあー。」
敦「うわっ、大丈夫ですか！」



慌てて駆け寄る敦を、男性は怒鳴る。思わず腰がひける敦のかわりに、与謝野がスッと男性の服の埃を払った。



与「ご容赦を。お怪我は？」



ニコリと人当たりのいい笑みを浮かべる与謝野に、調子に乗った男性は与謝野を蹴り飛ばした。そして。



「女の癖に儂を誰だと思ってる！」



盛大に地雷を踏んだ。



与「女の癖に？」



メリッ。



与「そいつは恐れ入ったねェ。女らしくアンタの貧相な××を踏み潰して××してやろうか？」



与謝野に摑まれた男性の指が不穏な音を立ててまがる。



「…ッ！」



与謝野が敦の方を向く。顎をクイと動かすと、恐怖に震えた敦が荷物をサッと持った。

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