ポートマフィア参謀は幼女らしい。

危機察知能力らしい。 ページ17

敦「谷崎さん、無事でしたか！」



扉から入ってきたのは、先日大怪我を負った谷崎潤一郎だった。今ではすっかり回復したようだ。



国「与謝野先生の治療の賜物だな。谷崎、何度解体された？」
谷「…四回。」



顔を青くする谷崎に、心から同情するような社員一同。訳のわからない敦だけがぽかんとする。



谷「敦君、探偵社で怪我だけは絶ッ対にしちゃ駄目だよ。」
敦「？」



ガタガタと震え、敦に謎の忠告をする。



怪我なんてどこでもしない方が良いに決まっているのに…なぜこんなことを？



敦はそんな気持ちを込めて谷崎を怪訝な顔で見る。



国「今回はマフィア相手と知れた時点で逃げなかった谷崎が悪い。」
乱「マズいと思ったらすぐ逃げる。危機察知能力だね。たとえば…今から10秒後。」
敦「？」



ふァ〜〜あ。
10秒後、聞こえてきたのは欠伸の音だった。入ってきたのは、蝶の髪留めをつけた容姿端麗な女、与謝野晶子。



敦「与謝野さん。」
与「ああ、新入りの敦だね。どっか怪我してないかい？」
敦「ええ、大丈夫です。」



与謝野がそっぽを向いてつまらなさそうに舌打ちした理由を敦はまだ知らない…。



与「ところで、誰かに買出しの荷物を頼もうと思ったンだけど…アンタしかいないようだねェ。」
敦「え！？」



敦が慌てて周りを見渡すと、部屋から敦以外の人が消え去っていた。



危機察知能力って＿＿これ？

男女平等らしい。→←泉鏡花らしい。

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