アイシテル？ (ページ46)

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それにしても人多いなあ

ホテル街に足を踏み入れた私は
人の多さに圧倒され

道端にはけ、壁にもたれかかった

ジンくんからの連絡はまだない

はあ、とため息が出た

『しばし待てって、どれくらい待てばいいんだろう』

しばゆーに言われたことを思い出す

ふざけたお告げだったけど、
信じてここまできたのは私だし
飽きるまで待ってみよう

あーあ、我ながらばかだなあ

なんて自嘲する

こんなところまで一人で来て
会えるかもわかない人を待つなんて

会えなかったら
相馬さんとへきほーに笑ってもらおう

そんなことを考えていると
不意に携帯が震えた

画面に表示されたのは、カワグチジンの文字

やっとかえってきた！

すぐさま電話に出る

ジ「なに？」

『ジンくん、今どこにいる？』

ちょっと不機嫌そうなジンくん

ジ「女といる」

ここまで来て恐れていたパターンか…

でも、まあ、うん、、、そうだよね
なんの根拠もなしに、ただ会いたいってだけで出てきたんだもん
会えない確率のが高いなんて、わかってたことじゃん

少しでも期待してきた自分がばかだった

わかった、ばいばいと言って通話を切った
元来た道を歩き出すと冷たい風が頬をかすめる

告ってもないのに振られた気分だ

頑張ってこんなところまで来てみたけど
慣れないことはするもんじゃないね

涙が出そうになったけど
ぐっとこらえて、マフラーを鼻まで覆う

ホテル街から出ると、さっきの賑わいがまるで嘘のように
シーンとしている
人影もまばらで
街灯がポツリ、ポツリと立ってるのが寂しさを煽った

『～～～～～っっ、会いたかったなあ～！』

「誰に？」

聞き覚えのある声に
耳を疑った

振り向くと、そこには

『え、なんで…』

ジ「呼ばれた気がした」

会いたくて会いたくて仕方がなかった人物

ジンくんが立っていた