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「Aを、 誰のモノにもさせないため、
…かな。」
その弔の笑顔に、背中にはゾクゾクとしたものが走った。
「……は、それって、どういう……」
弔は、いっそうわたしに近づいた。
「Aを、俺のモノにするため、だよ。」
わたしは、その弔の顔と声に、今までで一番の恐怖を味わった。
……7歳の、あの時よりも。
逃げろ、と本能が言っている。
逃げようとして踵を返すと、弔に、4本の指で腕をつかまれてしまった。
「…っ！」
「にがさない」
わたしは咄嗟に、個性を使おうとした。…けど、
「…お前、抵抗すんなら、
…親、こ ろすからな……？」
急に真顔で、低い声でそう言った弔は、冷たい目をしていた。
「…あ……」
一瞬、怯んだわたしを床に押し倒し、弔は、自分の唇をわたしの唇に合わせてきた。
「っは……ぁ、…」
今まで味わったことのない感覚に、わたしはもがいた。
けれどわたしの両腕は、弔におさえられていて、逃げることができない。
両親と、切島、爆豪の顔が浮かんだ。
「…っ……」
涙が頬を伝う。長く、深い口づけは、わたしが息をすることすら許してくれない。
「…ん、……っはぁ、」
やっと、口が離れる。
まだ整わない呼吸のまま、わたしは言う。
「…ねぇ、弔くん…。
……ひとつ、お願いがあるの。」
……みんなを助けたい。そのためには、この方法しかないの。
「……何だよ。」
弔は、ギラギラした目でわたしを見下ろしてくる。
覚悟を決め、わたしは口を開いた。
「わたしは、何されてもいい、だから、
…わたしの両親を、解放して……。
そして、
切島と爆豪に関わることは、
…もう、しないで欲しいの。」
「……何されても、…いいんだ？」
「……お願い、聞いてくれるなら。」
「…………いいよ。」
そしてまた、弔はキスをする。
こんなことになるなら、切島とキス、したかった 、
というわたしの想いも知らずに。
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星月(プロフ) - ラベンダーさん» ありがとうございます。本当に嬉しい限りです！ (2018年12月9日 21時) (
レス) id: 5d4de344c0 (このIDを非表示/違反報告)
ラベンダー - なんか、めっちゃ泣きました(;-;)定期的にこの小説見にきます！とても良い作品なので(>_<) (2018年12月9日 20時) (レス) id: b6a5b1e066 (このIDを非表示/違反報告)
星月(プロフ) - エリンギの里さん» ありがとうございます！嬉しいです。 (2018年3月8日 15時) (レス) id: 16b29d4aaf (このIDを非表示/違反報告)
エリンギの里(プロフ) - かっ、...可愛いｯｯｯｯ...!!!!!(悶絶) (2018年3月7日 23時) (レス) id: 261a460ea4 (このIDを非表示/違反報告)
星月(プロフ) - 雷光さん» こちらこそありがとうございます！私も新しい小説の連載を始めたので、読んでくださると嬉しいです。 (2018年3月5日 16時) (レス) id: 16b29d4aaf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星月 | 作成日時：2018年2月12日 14時
