【納棺師】マーキング *薬 ページ9
リクエストありがとうございます。
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綺麗に花が咲きほこる庭園で、私はイソップくんとのんびり日向ぼっこをしていた。
スイーツをもぐもぐと食べるイソップくんをちらりと見れば、クリームが口についている。
『イソップくん、口についてるよ』
「え」
トントンと自身の口端を叩きながら言うと、彼は恥ずかしそうに笑った。
イソップくんは、まるで可愛い子犬みたいだ。
ふにゃりと笑うところも可愛いし、いそいそと食事をとるところも可愛い。
私がゲームに行くと言えば後ろからちょこちょこついてくるし。
いやあ、もう可愛いの一言である。
目の前のイソップくんをぼんやりと眺めていると、ふいに誰かに肩を叩かれ後ろを振り向いた。
『ん……あぁ、どうしたの?』
振り返ると、視界に入ったのはナワーブとノートンくん。
人格の相性が私と合うからか、よくゲームに誘ってくる二人だ。
「A、この後暇か?俺の部屋で次のゲームの作戦立てないか」
なるほど、作戦会議か。
『いいね、後で部屋に行くよ!』
私がそう言うと、わかったと返事をした二人はその場を後にした。
『じゃあイソップくん、私は準備しに部屋に戻るね』
彼にそう告げ、庭を後にしようと背を向けると、唐突にぐいっと腕を引かれる。
「Aさん」
『わ…!?』
煉瓦で出来た壁に腕を軽く押さえつけられ、ひんやりとした感覚がする。
『え、何……どうしたの?』
訳もわからず、少し鼓動が速くなる。
「男の部屋に女一人でいくなんて、何考えてるんです」
ジッと私を見つめる彼の声は、少し怒っているような口調だ。
『さ、作戦立てるだけだよ』
そう返事をすれば、彼の距離が近くなる。
「もしものことがあったらどうするんですか?Aさんは警戒心が薄すぎます。これ、振りほどけるんですか」
そう言われて身をよじらせるが、華奢に見える彼は意外にも力が強く、無駄な抵抗となるだけだった。
『イソップく、っ!?』
途端、首筋にチクリとした感覚が襲う。
ぞわりと身がよだつのを感じ、焦って呼吸が乱れる。
『やめっ……ひ、ぅ』
味わったことのないぬるりとした感覚に頭が麻痺し、体に力が入らなくなる。
「……痕、隠していかないと見えますよ」
妖しく目を細めると、彼はそっと私から離れた。
嗚呼、可愛い子犬に首を噛まれてしまった
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【探鉱者】ノンアルコール *薬→←【写真家】熱中症注意 *薬
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暁郗 - リクエストでリッパー の薬お願いします……。ナワーブ君の薬&毒最高でした! (2021年5月3日 21時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
こっこ - あ“ーもう!毒最高!リクします!ノートンくん攻めジョセフさん受けの毒みたいです! (2019年10月3日 17時) (レス) id: 4adf5b306e (このIDを非表示/違反報告)
そらもち - すげえ好きです!惚れました!!更新頑張って下さい(`・ω・´) (2019年8月31日 21時) (レス) id: 35f31302c7 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶 - イソップくん最高でした(鼻血)リクエストいいですか?イソップくんとジョセフさんの毒をお願いします! (2019年8月21日 2時) (レス) id: 471dbd3b9c (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - リクエストお答えありがとうございます。ノートン君の薬が最高でした。 (2019年8月20日 21時) (レス) id: af4ea41ca3 (このIDを非表示/違反報告)
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