その少女、最弱にして。

11話 ページ12

貴方side






貴「………………。」じっ






「…なんですか？もう反省は終わったのですか？」







貴「いえ、しのぶの髪は綺麗だなーって……。」





真っ黒で艶があって。





夜会巻きにされた髪はすごく綺麗。







「いきなりどうしたんですか。まぁ、ありがとうございます。」





言葉ではそう言ってもまだ顳顬に青筋が見えるのは気のせいかな。





貴「…きよちゃんも、なほちゃんも、すみちゃんも、アオイもカナヲも。」







_____カナエも。






貴「みんな綺麗な黒髪ですよね。」






しのぶは何も言わずに薬の調合を続けてる。






だから私も独り言みたいに呟く。








貴「時々、思うんですよ。私の髪も綺麗な黒色だったらって。こんな枯葉みたいなゴワゴワじゃなくて。」






伸ばしっぱなしの自分の髪はいうことを聞かないため後ろにまとめてる。





癖っ毛。





たまに街で見かける異国人の髪は艶のある綺麗な栗色だったり。





同じような色でも全然違う。







貴「…恋柱様のあの髪も素敵ですよね。とても可愛らしいですし。」






いいな、いいな。






せめて艶でもあればなぁ。

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