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「あれ……今何時……?」
時計を見ると、もうすぐ夜ご飯の時間だった。
外もすっかり薄暗くなっていた。
ゲームをしていると、いつも時間の感覚が無くなる。
一旦ゲームの電源を切ろうとしたとき、家のインターホンが来客を告げた。
「はーい」
『ごめん、俺ー』
画面に映ったのは深澤くんで、思わず二度見してしまった。
玄関に急ぎ、戸を開けるとやはりそこにいるのは深澤くんで。
「どうしたの、急に」
「んー、お土産持ってきた」
そう言い、手に持つ箱を見せてくる。
「どうしたの、それ」
「この前のチョコレートのお礼」
あんな安いチョコレートのお礼をわざわざしてくれるなんて、逆に申し訳なくなる。
「え、わざわざよかったのに」
「いーのいーの。てか、前髪かぁいいね」
そう言われ、私はハッとしたように自分の額に触れる。
(しまった! ちょんまげにしたままだった……!)
「ねぇ、玄関まででいいから入ってもいい?」
「え、あぁもちろん。というか上がっていいよ?」
近所迷惑を気にしたのだろうと思ったが、深澤くんが人目を気にしなければならない立場であることはもちろん私は知らない。
「えー、上げていいの?」
「ん? 何で?」
急に深澤くんが困ったように笑い、私は首を傾げる。
「まぁいいや、お邪魔します」
そう言い、諦めたように深澤くんは丁寧に靴を脱いだ。
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小袖(プロフ) - 爆きゅんしました( ; ; )♡ (2023年1月18日 18時) (レス) @page37 id: 086580d8cf (このIDを非表示/違反報告)
六花(プロフ) - センさん» 応援ありがとうございます!マイペースになりますが更新楽しみにしていただけたらと思います! (2022年12月17日 11時) (レス) id: 8a1fff5847 (このIDを非表示/違反報告)
セン(プロフ) - このお話めちゃくちゃ大好きです!これからもひっそりと応援しています。更新お疲れ様です。 (2022年12月16日 23時) (レス) @page37 id: 4a7d47f0c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:六花 | 作成日時:2022年11月23日 19時