3.魔法 ページ9
休日の昼間、現在私はスマホをぼんやりと眺めている。
しばらく続いた音ゲーのイベントが終わり、その結果はそれはそれは散々なものだった。
かろうじてお目当てのキャラクターは手に入れたものの、こんな低い順位は初めてだ。
私はスマホに映るイベントの結果の画面をそっと閉じた。
こうなった原因はもう分かっている。
お隣に住む深澤くんだ。
夜空の下、ベランダで内緒話をするかのようにコソコソと話した日の、深澤くんの甘ったるい声と、チョコレートを渡した時に触れた手の温もりが忘れられずにいる。
あの時甘いものが好きか問われて咄嗟に好きだと答えたけれど、何より深澤くんの声が好きだった。
チョコレートのことじゃなく声を指していたなんて、深澤くんは知りもしないだろうけど。
イベントこそ振るわなかったが、この胸のソワソワというかフワフワで、案外ショックは受けていない。
それどころか、また深澤くんに会えないかななんて思ってしまう。
一体私はどうしてしまったんだろう。
しばらく彼氏どころか男の人はごめん被りたいはずなのに。
元彼との別れるキッカケになった最後のシーンは未だ鮮明に思い出せる。
すっかり冷めた私に、一方的に幼稚な思いをぶつけてくる元彼。
(……やめた。ゲームしよ)
せっかく心機一転引っ越したのだ。
いつまでも元彼を思い出す必要もない。
無理矢理思い出に蓋をして、私はゲームの本体に電源を入れ、テレビの電源をつけた。
『それではゲストのSnowManの深澤さん、向井さんでーす』
『こんにちはー！』
私はテレビの音をBGM変わりに、鏡を見ながら前髪をちょんまげに結ぶ。
これは、がっつりゲームをするときの私のルーティンみたいなもので、気合いを入れてゲームに向き合うためのものだ。
リモコンを片手にテレビの画面を見ると、関西弁の向井くんという子が盛大にスベりまくって、笑いをとっていた。
その様子に思わず口角が上がりながら、そっとリモコンのボタンを押してゲームの画面に切り替えた。
「さぁやるぞー！」
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小袖(プロフ) - 爆きゅんしました( ; ; )♡ (2023年1月18日 18時) (
レス) @page37 id: 086580d8cf (このIDを非表示/違反報告)
六花(プロフ) - センさん» 応援ありがとうございます！マイペースになりますが更新楽しみにしていただけたらと思います！ (2022年12月17日 11時) (レス) id: 8a1fff5847 (このIDを非表示/違反報告)
セン(プロフ) - このお話めちゃくちゃ大好きです！これからもひっそりと応援しています。更新お疲れ様です。 (2022年12月16日 23時) (レス) @page37 id: 4a7d47f0c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：六花 | 作成日時：2022年11月23日 19時
