2.甘い ページ5
「もう最悪っ……！」
今日は私がハマっている音ゲーアプリのアップデートがあって、新たなイベントが始まった。
イベント内容はひたすらにプレイしてポイントを貯めて、そのランキングによってアイテムやキャラクターをゲット出来るというもの。
しかしそんな日に限って残業になってしまって、現在私は家路を急いでいるところだ。
後輩がミスをしてしまって、指導と共に手伝ってあげるのは先輩として仕方がない。
３０歳くらいになると、どうしても職場では中堅になるのでこのような役回りになってしまう。
まぁ明日が休日なのが不幸中の幸いだ。
今日は徹夜をする覚悟で、コンビニでお弁当や飲み物、糖分摂取のためのチョコレートを買ってこれからの時間に備える。
自炊は出来る。
でも自炊している場合ではないのだ。
「やっほー久しぶり」
マンションのエレベーターを待っていると、背後から久しぶりに聞いた声が聞こえた。
「あ、深澤くん」
「今帰り？」
深澤くんは帽子から服からズボンから、とにかく全身真っ黒な格好で私は思わず笑ってしまった。
「深澤くん漆黒に塗れてる」
「うるせー」
深澤くんが笑うと、ちょうどエレベーターが到着して２人で乗り込む。
「仕事遅いんだね」
「今日はちょっと後輩がミスって遅くなっちゃった」
自分達の階のボタンを押しながら、深澤くんと会話を弾ませる。
「３０歳くらいって、後輩のフォローもしなきゃだから仕方がないけどね」
「そーだよねぇー」
うんうんと割と強めに頷くあたり、彼も苦労をしているのだろうか。
「そういえば、深澤くんってなんの仕事してるの？」
何も考えずに軽く聞いたつもりだったけれど、深澤くんは一瞬黙りこむ。
(あ……聞いちゃいけなかったかな)
私がそう思ったと同時に、ニヤリと笑った深澤くんが私を見つめる。
「皆を幸せにする仕事かな」
「めっちゃドヤ顔じゃん」
私がじとっと見つめると、深澤くんは吹き出したように笑った。
「なんかAちゃんと話すの楽しいね。昔から知ってるみたい」
そう言われると確かにそうかもしれない。
波長が合うというか、話しのテンポも合うというか、とにかく気を使わなくて楽だ。
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小袖(プロフ) - 爆きゅんしました( ; ; )♡ (2023年1月18日 18時) (
レス) @page37 id: 086580d8cf (このIDを非表示/違反報告)
六花(プロフ) - センさん» 応援ありがとうございます！マイペースになりますが更新楽しみにしていただけたらと思います！ (2022年12月17日 11時) (レス) id: 8a1fff5847 (このIDを非表示/違反報告)
セン(プロフ) - このお話めちゃくちゃ大好きです！これからもひっそりと応援しています。更新お疲れ様です。 (2022年12月16日 23時) (レス) @page37 id: 4a7d47f0c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：六花 | 作成日時：2022年11月23日 19時
