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「あ、お金を……」
「いやいや、大丈夫」
女性がバッグから財布を取り出そうとするのを俺は止めた。
「俺子ども好きなんで、喜んでくれて嬉しい」
女の子に向けてニコリと微笑むと、女の子も笑顔を返してくる。
「シナモンのおにいたん、やさしい」
女の子のニコニコした笑顔に、俺はすっかり癒されてしまった。
「それに俺、クレーンゲームで取るのが楽しいだけだから気にしないでください」
それでもあまり納得いってなさそうだったけど、すっかり満足した俺は家に帰ることにした。
「では」
「えっ……えっ！」
俺を止めようとする声をワザと無視して家路に着いた。
家でしばらくゲームをして休憩をしようかと思った時、ぐうとお腹がなって空腹に気がついた。
すっかり夕ご飯の時間だし何か買ってこようかと、俺は家を出ることにした。
家を出て玄関の鍵をかけたところで、隣から女性が出てくる。
「あ」
「あ」
まさかのさっきゲーセンにいた女性で、俺達は目を点にした。
「あ……さっきは本当にありがとうございました」
深々と頭を下げる彼女に、俺は首を振る。
そういえば、最近引っ越してきたお隣さんはこの人だと、家にある残り少ないお菓子を思い出す。
「あの……、今からお出かけですか？」
「あ、はい。飯でも買おうかと」
突然おずおずと尋ねられ、思わず怪訝に返事する。
「私も今から買いに行くところなんですけど、よかったら是非お礼に奢らせてください！」
驚くほどキラキラとした目で、凄い圧をかけてくる。
「いやいや、大したことしてないので」
「とんでもない！ 姪っ子も凄く喜んでくれたので」
一緒にいた女の子はどうやら姪っ子らしい。
俺達が別れた後、お迎えがきてテンションが上がったまま笑顔で帰っていったらしい。
「あー、ラーメン食べたくなったからそれでもいいです？」
「おお！ いいですねぇ」
あまり断り続けるのも悪いかと思って、結局お言葉に甘えるフリをした。
もちろん、女性にお金を出させるようなことはしないつもり。
帽子も被って眼鏡もマスクもしてるからバレないだろうと、俺達はよく行くラーメン屋さんに向かった。
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小袖(プロフ) - 爆きゅんしました( ; ; )♡ (2023年1月18日 18時) (
レス) @page37 id: 086580d8cf (このIDを非表示/違反報告)
六花(プロフ) - センさん» 応援ありがとうございます！マイペースになりますが更新楽しみにしていただけたらと思います！ (2022年12月17日 11時) (レス) id: 8a1fff5847 (このIDを非表示/違反報告)
セン(プロフ) - このお話めちゃくちゃ大好きです！これからもひっそりと応援しています。更新お疲れ様です。 (2022年12月16日 23時) (レス) @page37 id: 4a7d47f0c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：六花 | 作成日時：2022年11月23日 19時
