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「いただきまーす！」
深澤くんが持ってきてくれたのはケーキで、箱の中にショートケーキ、チョコレートケーキ、苺タルトにチーズケーキが所狭しと並んでいた。
その中からチョコレートケーキを選んで、口に運ぶ。
「おいひぃ……」
甘いものは正義だ。
「美味いか、良かった良かった」
顔がふにゃふにゃになりながら、パクパクと口に運ぶと、深澤くんは私の額を親指で撫でる。
「あ！ ちょんまげにしたままだった」
解こうと思って忘れていたことを思い出し、髪を結ぶゴムに手をかけると、伸びてきた深澤くんの手が触れる。
「このままでいいよ」
「えー……」
人様に見せられる姿じゃないことは承知だ。
そんなのを深澤くんは気にしないのか、結んだ髪をスルスルと撫でる。
「……かぁいいね」
「……っ……」
深澤くんはの、甘ったるい笑みと甘ったるい声。
あの日も、パーテーション越しにこんな表情をしていたのだろうか。
そんなことを考えると、真っ赤になっているであろう顔を俯かせるしかなかった。
「顔見せてよ」
「……だめ」
こんな空気は慣れてなくて、心臓がバクバクとうるさい。
「顔見たい」
覗き込まれて言われるものだから、声も必然的に近く聞こえて、私の脳がとろけそう。
恥ずかしいはずなのに何故か抗えない。
深澤くんに視線をゆっくり合わせると、満足気に目を細めた。
「深澤くん……恥ずかしい……」
「……ん、かぁいい」
恥ずかしいから止めてという意味が伝わってないようで、深澤くんはさらに顔を近づける。
「ねぇ……だめ」
「……だめなの？」
囁く声はまるで魔法みたいで、私の拒否権なんて無くなってしまう。
「だめ……じゃない」
「ふふ、……いい子」
優しく髪を撫でられ、私の唇に深澤くんの唇がそっと触れた。
深澤くんはやっぱり魔法が使えるのではないだろうか。
チョコレートケーキの甘みすら吹き飛ばしてしまうほどの。
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小袖(プロフ) - 爆きゅんしました( ; ; )♡ (2023年1月18日 18時) (
レス) @page37 id: 086580d8cf (このIDを非表示/違反報告)
六花(プロフ) - センさん» 応援ありがとうございます！マイペースになりますが更新楽しみにしていただけたらと思います！ (2022年12月17日 11時) (レス) id: 8a1fff5847 (このIDを非表示/違反報告)
セン(プロフ) - このお話めちゃくちゃ大好きです！これからもひっそりと応援しています。更新お疲れ様です。 (2022年12月16日 23時) (レス) @page37 id: 4a7d47f0c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：六花 | 作成日時：2022年11月23日 19時
