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「Aちゃん」
「なぁに？」
「Aちゃん」
「どうしたのー？」
キッチンでミートソーススパゲッティを作る私に、何故か名前を呼び続ける深澤くん。
まるで甘えているようで、思わず口角が上がってしまう。
「A」
「……はい」
突然呼び捨てで呼ばれ、ドキンと胸が鳴る。
チラリと深澤くんを見ると、テーブルに肘をついた深澤くんと目が合って慌てて逸らす。
「あー！！ 塩コショウ入れすぎた！」
カウンター越しにこちらを見てくる深澤くんがあまりにもカッコよくて動揺した私は、スパゲッティの隣のコンロで作っていたコンソメスープに塩コショウを多めに入れてしまった。
「どしたの？」
心配そうに私の横に並んだ深澤くんは、私の手元を覗き込む。
声色も優しくて、今にも私の腰が抜けてしまいそう。
「あ、ちょっと塩コショウ入れすぎちゃって……」
苦笑いで返すと、深澤くんはふにゃりと笑う。
「大丈夫大丈夫。俺味濃いの好きだから」
「そ、それは良かった」
深澤くんは色んな表情を持っている。
アイドル顔負けの表情や、男らしく見つめてきたと思えばすっごく優しかったり、甘かったり……。
私はすっかり翻弄されている。
ミートソーススパゲッティは美味しく仕上がって、お皿はすぐに空になった。
「ご馳走様でした、ありがとう。めっちゃ美味かった」
「お口に合って良かった」
相変わらず深澤くんは早々と食べ終わって、私が食べ終わるのをテレビを見ながら待っていてくれた。
「じゃあお皿洗ってくるね」
「あ、俺するよ」
深澤くんはお皿を持って立ち上がった私を制する。
「いいよ、ゆっくりしてて」
そう言っても結局納得してくれなくて、私がお皿を洗って深澤くんは洗ったお皿を拭いてくれることになった。
「手伝ってもらっちゃってごめんね」
「いいよ、これくらい」
そう言いながら深澤くんは手際よく拭いていく。
そのおかげで、あっという間に片付けは終わった。
「コーヒー飲む？」
「ありがと。あ、カフェオレがいいなー」
「了解！」
ささっと二杯分カフェオレを作ると、テーブルにそっと置く。
「ありがとね」
「いえいえ」
二人でカフェオレをゆったり飲みながら、ついているテレビをぼんやり見る。
もちろん内容は特に頭に入ってきていない。
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小袖(プロフ) - 爆きゅんしました( ; ; )♡ (2023年1月18日 18時) (
レス) @page37 id: 086580d8cf (このIDを非表示/違反報告)
六花(プロフ) - センさん» 応援ありがとうございます！マイペースになりますが更新楽しみにしていただけたらと思います！ (2022年12月17日 11時) (レス) id: 8a1fff5847 (このIDを非表示/違反報告)
セン(プロフ) - このお話めちゃくちゃ大好きです！これからもひっそりと応援しています。更新お疲れ様です。 (2022年12月16日 23時) (レス) @page37 id: 4a7d47f0c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：六花 | 作成日時：2022年11月23日 19時
