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3.不安がこんにちは、さようなら ページ10

「ふんふんー」
 SnowManのお気に入りの曲を鼻歌で歌いながら、簡単に夕食の準備をする。
 準備っていってもレンジでチンするだけだけど。
 康二くんがいない日は簡単なもので済ませちゃう。
 日勤が終わった私は早々にお風呂を済ませて、出来上がった食事とテレビを前にして着座した。
「よし……間に合った。いただきます」
 手を合わせたときには歌番組が始まる数分前で、ホッと安堵する。
 というのも、生放送の歌番組にSnowManが出る日なのだ。
 言わずもがな録画の予約もしてある。
 歌番組のオープニング曲が流れて、ついに番組は始まった。

 今日はお互いの仕事の都合で顔も合わせてないけど、朝から電話がかかってテレビに出るから見てほしいと番宣をしっかりしていた。
 うーん、仕事熱心だ。

 画面内ではSnowManが紹介されて、ラウールくんを先頭に9人が続々と画面に映る。
「康二くん……」
 康二くんのアイドルスマイルが可愛いんだけど、なんとなく寂しく感じてしまう。
 康二くんにくっつく様にしてさっくんも映って、思わずニヤける。
「可愛いの渋滞だ」

 そして先日お会いした翔太くん。
 思わず渡辺さんって呼んだら凄く笑われた。
 初対面でいきなり、しょっぴーとか翔太くんなんて呼んだら失礼だと思ったんだけど。
 その日は結局、翔太くんと呼ぶことで話は落ち着いた。
 康二くんはなんとなく不満そうな顔をしていたけど何だったんだろう。

 先日のことを思い出している間に、他のアーティストさんや女性アイドルグループが続々と映る。
 そして全員揃った引きの画面では、SnowManの中でも端にいる康二くんの隣に、今人気の女性アイドルが並ぶ。
 それはいいんだけど、思わず2人の肩が触れ合ってお互いに口パクで謝罪して笑い合う。
 私はMCの進行なんて耳に入らずに、その光景をぼんやり眺める。
「あれー……、普段は平気なのにな……」
 こんな感情いらない。
 私は一般人で、康二くんはアイドルなのだ。
 私の嫉妬は彼の邪魔になる。
 やがて、私はもしかしたら“平気なフリ”をしていただけなのだろうかと考え始め、慌てて考えを振り払う。
「……録画やめよ」
 私は録画停止ボタンを押して、今撮れていた分は消去した。
 そして冷蔵庫からビールを取り出して一気に煽る。
 すっかり冷えてしまったお惣菜をちまちまと割り箸でつつきながら、ビールはすっかり空になった。

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設定タグ:向井康二 , SnowMan , 夢小説   
作品ジャンル:タレント
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作者名:六花 | 作成日時:2022年9月21日 22時

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