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第一印象は、なんか普通の子。
まぁ一般の子だし普通なのは当たり前なんだけど、康二が好きな理由がなんとなくだけど分かる気がする。
取り繕った雰囲気もないし、良い意味で普通なんだ。
「２人はどうやって出会ったの？ お前まさかファンに手出したんか」
怪訝な視線を向けると、康二はちゃうわ！ と慌てふためく。
「ほら、俺が前に体調崩したときあったやろ？」
そう言われ、俺は康二が体調を崩したときのことをふと思い出した。
「あー、なんか病院に行って点滴してもらったって言ってたな」
「そう、それや。そのときに出会ってん」
ん？
「え、看護師さん？」
「そやで」
え、こいつ、病院に行って看護師さん口説いてんの？
へぇー、ふぅーん。
「その顔やめい！」
康二にツッコまれ、どんな顔してんのかとサイドミラーに自分の顔を映すと、めっちゃニヤニヤしてた。
「まぁ、付き合い始めるまでSnowManの向井康二なんて知らんやったけどな」
「え、そうなの」
てっきり、康二のこと知ってて付き合い始めたのかと思っていた俺は目を丸くした。
「それどころか、SnowManすらピンときてなかったわ」
康二が笑い飛ばすと、後部座席からごめんなさいと小さな声が聞こえる。
「まぁ今ではちゃんとSnowMan応援してくれとるけどな。……さっくん推しやけど」
最後の吐き捨てるように呟きに、思わず俺は笑ってしまった。
「アイドルの向井康二負けとるやん」
「やかましいわ」
笑って茶化したけど、康二が羨ましくもある。
アイドルとかの肩書きの前に、“１人の男”として好きになってくれたってことだもんな。
良い人に出会えてよかったな。
「Aちゃん、康二をよろしくね」
後部座席を振り返るとAちゃんは一瞬目をぱちくりさせた後、すぐにニッコリと微笑む。
「もちろんです！」
あら、すげぇ可愛いじゃん。
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作者名：六花 | 作成日時：2022年9月21日 22時
