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挙式も無事に終わり、その後披露宴が始まった。
乾杯が終わると司会者の促しで歓談の時間が始まった。
「康二ー！ あそこは口にちゅーだろー」
佐久間さんがニヤニヤと笑いながら康二くんに詰め寄ると、康二くんは口を尖らせた。
「あれでも頑張ったんやから」
翔太くんとふっかさんはヒューと口笛を吹いてさらに康二くんを煽った。
やっぱりメンバーと楽しくしてる姿を見ると、こっちまで幸せになる。
「結婚おめでとうございます」
目黒さんが微笑みながら私のグラスにお酌をしてくれる。
「ありがとうございます」
ご挨拶程度にお酒を口に入れると、次々にメンバーの皆がお酌をしてくれた。
「皆さん、今日は本当にありがとうございます」
皆に祝福されて本当に私は幸せ者だ。
「あ、写真撮らなきゃ」
阿部さんがそう言うと、翔太くんは自分の携帯を康二くんに渡す。
「ちょい待ち！ 何で俺が撮る方なんよ」
「あ、ごめんごめん。間違えた」
皆でゲラゲラと笑うと、察した式場のスタッフの方がたくさん写真を撮ってくれた。
その後も披露宴は進んでいき、私は涙を流しながら両親に感謝の手紙を読んだ。
そしてこのまま式が終わっていく流れのところ、何となく空気感が変わったのを察した。
「それでは、新婦様に新郎様からの日頃の感謝のお手紙でございます。」
(……え？)
何も聞いていなかった私は、すっかり涙が引っ込んできょとんとするしかなかった。
隣に立つ康二くんにマイクが手渡され、会場内は薄暗く照明が落とされた。
そしてスクリーンに映されたのは、康二くんが２人でいるときに撮ってきた写真たち。
私達が初めてデートに行った時。
初めて家に遊びに行った時。
一緒にアイスを食べてる時。
寒い中暖房を効かせてお鍋を食べてる時。
夕日をぼんやり見ている時。
夜勤明けで疲れて寝てしまった時。
同棲を始めてすぐの時。
お風呂上がりに一緒に顔にパックをしている時。
料理を作っている時。
何気ない今までの毎日が出会った頃からゆっくり映し出されていく。
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作者名：六花 | 作成日時：2022年9月21日 22時
