白衣の天使じゃないけれど (ページ43)

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１２．白衣の天使じゃないけれどページ43

「うぇーい！康二緊張してなーい！？」
　仕事の時のようにしっかりセットされた髪型を鏡で見ていると、突然のノックの後さっくんが部屋に飛び込んできて、その後ろからゾロゾロとメンバー達がニヤニヤしながら入ってくる。
「ぶはっ！めっちゃ緊張してんじゃん」
　スーツを着たしょっぴーは、俺を見て吹き出した。
「康二大丈夫？手握ってやろうか？」
　照兄がニヤリと笑うと、俺は気の利いたことも特に言えずに手を差し出した。
　その様子に照兄はやれやれと言わんばかりに、ぎゅぎゅっと俺の手を握った。
「え、康二マジで緊張してんの？」
　ふっかさんは心配したように俺を見つめてくる。

　そう、それもそのはず。
　今日はAとの結婚式。
　Aにプロポーズしてから事務所に結婚を考えていることを伝えたら、以外とすんなり許可がおりた。
　もちろんメンバーは祝杯ムードで、自分の事のように喜んでくれた。
　事務所とメンバーに伝えた後、指輪を一緒に探しに行ったり、結婚式の打ち合わせもそうやけど、衣装選びとかとにかく忙しない毎日を過ごした。
　そして迎えた今日はあっという間に訪れて今に至る。

「大丈夫大丈夫。康二は何だかんだでキメる男だからさ」
　めめがそう言うと皆はそれぞれ頷く。
「じゃあ忙しいだろうから、また後でね」
　阿部ちゃんが優しく微笑むと、皆が激励しながら部屋を出ていった。
　さっきまで騒がしかった控え室は一気に静けさを取り戻した。
　俺が緊張してる中Aの方は大丈夫やろかと、俺は隣の控え室におるAの元へ向かった。